今週から2回に分けてオーストラリアのゴールドコーストに留学している先輩 森表直哉さんの留学記をご紹介します。留学して感じたことを素直に言葉にしていて、留学した時の気持ちを疑似体験できる記事です。Enjoy!

 

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留学生活が始まって自分が思っていた以上に英語が世界共通語として機能していたことに驚いた。自分は交換留学で英語が話せるようになったらなという感じで渡豪してきたのだが、そのモチベーションで交換留学に臨んでいるのは日本からの学生だけだった。私の派遣先大学は留学生を積極的に受け入れていることもあり、インドを中心としたアジア系の人も多く多国籍なのだが、全員当たり前のように英語で会話している。違う国からの交換留学生も英語はできて当たり前、違う大学で学んでみたいから来ている、というスタンスで私たち日本人とは考え方がまるで違う。英語が話せる人にかっこいいなとかすごいなという憧れを抱くのが日本だが、他国では使えて話せて当たり前なことに感じ大きなギャップを感じた。

 

新入生の中には高校卒業したばかりの18歳の子がfull degree (学位を取ることを目的にした留学) で祖国を離れて学びに来ている人もいる。自分の高校時代も含めて、日本の大学受験のスタンスといい国内の大学に行くことが前提で、どこの大学が上とか下言うことばかりを気にして海外の大学に行くという発想はなかった。大学進学と言えば国内の大学が当たり前の発想であるこの状況に、日本が英語社会に置き去りにされている現状だと感じた。しかしインドの学生の話だが、中には国内で納得いく大学に行くことができなかったから外国の大学に来ているという人も何人かいた。日本ではみんなが納得のいく大学に行けるだけの大学の数と教育が提供されているということは、逆にほかの国の教育に頼らなくてよいという点で日本の教育も評価されるに値すると思う。

 

 

Full degreeを外国から取りに来ている学生の中には学費、生活費を稼ぐために授業に出ず仕事をする人もいるし、週7日全部仕事をしている人も珍しくない。(visaの関係上基本的には週24時間の労働しか許可されていないのだが、6月まではその制限がオーストラリア政府により解除されている。) 日本の大学生のバイトに明け暮れた日々とは訳が違う。彼らのこれからの人生を考えると、それだけの思いをしてでも学位や修士をとる必要があるのだという。私が大学時代は人生の夏休みということを信じ切って好きなこと存分にして楽しんでいた一方で、世界を見ると自分と同じ世代の若者が彼らの将来考え、必死に大学を卒業しようとしてることにやるせない気持ちをおぼえた。これからの世界を担っていくものとしての学ぶ姿勢といい、自分の人生への考え方について見直し考え直させられた。

 

 

 

大学主催のオリエンテーション。新入生歓迎会のような一週間にわたるイベント。

 

2020年 英語コミュニケーション講座受講生

広島大学

Josh