今までに55カ国を旅してきてどの国がよかった?印象に残っている場所は?
などとよく聞かれます。この質問は私にとってとても難しいものです。
なぜならどの国での経験も私に大切な気づきを与えてくれたり経験させてくれるものばかりだからです。
その中でじっくり振り返り思い返すと、「モンゴルでの遊牧民との生活」はとても印象的です。その経験をシェアしたいと思います。
なぜモンゴルに?
私がモンゴルに足を運んだのは大学4年生の時。就職活動真っ只中の時です。
よく「なんで今、モンゴルに行くの!?」「就活が終わってからにしなさい!」などと言われたのをよく覚えています。
確かに、今思えば就職活動の期間中にモンゴルに行かないといけない理由・・・。
特に明確なものはありませんでした。
当時私は客室乗務員になりたくて、たくさんの会社を受験しました。黒のパンプスが擦り切れるほど全国を移動し歩き回り、うだるような暑さの中スーツから汗が滴るほど説明会に参加したり、1日に数社をはしごして受験することもありました。しかし結果は酷いもので、客室乗務員になるという夢を叶えることができませんでした。
当時の私は不合格通知を手にするにつれて、自己肯定感が下がってしまい今思えば自分を卑下してしまい、合格できなかったのも無理がなかったと思います。
そこで、エントリーシートをまたどんよりした気持ちで作成していた時に机の上に置いてある地球儀に目が行きました。普段な目にも止めない机の上の地球儀。なぜかその日は地球儀をしばらく眺めている自分がいました。
「いろんな国を飛び回る仕事がしたいな。私はこのままどんな仕事をすることになるんだろう。」そんなことをぼんやりと考えていました。
そこで目に入ったのがモンゴル。モンゴルって、テレビでは見たことがある。草原とか遊牧民とかのイメージがあるけど、実際はどんなところなんだろう。地平線を草原から見て一旦自分をリセットしたい。そんな気持ちが込み上げてきました。
そんな理由だけで、そのままモンゴルまでのチケットを誰にも相談することなく購入し、ビザの申請など渡航に向けた準備を始めました。このような遠足の前のワクワク感のようななんとも言えないウキウキした感情は久しぶりで出発前から本当にモンゴルに行くことを楽しみにしていました。
しかし、周囲は就活の途中で何の相談もなくモンゴルに行こうとする私を肯定的に見てくれる人は少なく気まずかったのを覚えています。でも、このまま自分の気持ちを押し殺して就活をしても何も変わらないと感じ渡航を強行突破しました。
ウランバートルに到着
ウランバートルの空港に到着し、英語が通じない。文字も見たことのないようなものばかり。少し不安になりましたが、無事現地でお世話になるゲル(ゲルはモンゴル遊牧民の移動式住居)を紹介してくれる友人に会うことができました。
ウランバートルは、交通量も多くストリート・マンホールチルドレンなどがたくさんいたりと人々一人ひとりが必死に生きている様子を、詳しい内情はわからないながらに感じました。
カンボジアでの孤児院に滞在させてもらった時のことが蘇り、何かしたいけどできない自分にすごく憤りを感じたこと、まずは身近な人からでも困っている人にそっと手を差し伸べられる人でありたいと感じました。
また、白タクによる勧誘が多くタクシーに乗るまで囲まれ続けるなど少々、恐怖を感じました。しかし、講座内でも触れる「Saying No is important」でもあるように、はっきりいらないものはいらないと言う、断るときは真剣な表情ではっきり言うことが本当に大切だと身をもって実感しました。
一見親切そうに、案内してあげるよ!荷物持ってあげるよ!カメラを貸して!などと言われることもあり笑顔で話してくる人々に対して最初ははっきり断ることに少し躊躇っている自分がいましたが自分のことは自分で守る。必要ないことは引き伸ばしたり、笑って誤魔化さずに対応する。これを徹底することでトラブルに巻き込まれることはありませんでした。
立命館大学 英語コミュニケーション講座
担当講師 Stacy