3年ぶりの旅の最初の滞在地はパリ。夫の父親が住む、パリ郊外の街に4泊する予定だ。父親は数年前から高齢者用のアパートのようなところに住んでおり、そこでは、食事のサービスがあり、また他の入居者とアクティビティをやったりと、結構楽しくやっているようだ。福祉のサービスがしっかりしているフランスでは、年金生活の高齢者が元気だ。

 

娘の希望で、パリでの短い滞在の中でルーブル美術館やノートルダム寺院などの、いわゆる観光地を回った。今年のフランスは猛暑で、外を歩くと肌がジリジリ焼けるように感じる。日本と違うのは、空調がどこにでもあるとは限らないところだ。バスに乗ったら、エアコンがなく、窓を開けて走っていたり、店に寄ったら空調がないところもあったりする。この店には空調ありますよ!とわざわざ書いているところもあるくらいだ。

 

ルーブル美術館はほぼ毎回訪れるのだが、今年は入口の列もなんだか短い。中に入ると、さすがに人がたくさんいたが、やっぱりいつもより少し違う。よく見てみると、コロナ前には多くのアジア系の顔の観光客がいたのだが、今年はほとんどいない。ギフトショップでたまたま後ろにいた男女から聞こえてきたのが日本語だったので、思わず話しかけたくらいだ。耳を澄ますと、フランス語の他にスペイン語や英語、ドイツ語が聞こえるが、日本語や中国語、韓国語はほとんど聞こえない。コロナ禍の影響をここでも感じた。

 

これでも人は少ない方 @ルーブル美術館

 

パリでは夫の姪に会ったり、酒ソムリエをしている日本人の友達に5年ぶりに会ったりと、数日の滞在はあっという間にすぎた。英語コミュニケーション講座では前期にKisses & Hugsという異文化体験のコーナーがあるが、フランスの挨拶はKiss(フランス語ではBisou(ビズ))だ。コロナの世界的流行でビズができなくなり、fist bumpやelbow bumpが主流になり、コロナ後にはビスの習慣も変わってしまうのではないかと言われたものだが、前回書いたように、もうマスクをほとんどしていないフランスでは、ビスは大復活だった。姪も姪の彼氏も、日本人の友達も、みんな「ひさしぶり~」と頬を合わせる。ここでも、今もみんなマスクをしている日本とヨーロッパとの違いを感じた。所変われば品変わる、だ。

 

世界的美女の前はやっぱり混雑@ルーブル美術館

 

香川大学 英語コミュニケーション講座 担当講師 Emma