先日の英語コミュニケーション講座で「文化の違い」と言う話が出ました。海外との文化を比較する、体験する、と言うのはコロナ禍でこの数年難しかったですよね。そこで日本国内の他府県との違い、と言うことでお話ししました。私が講座を担当している香川は「うどん県」として有名なので、他県とのうどんの消費量の差が話題に上がりました。そのほかにも生活習慣の違いなど、楽しい意見交換がなされました。そのディスカッションを聞きながら、私は自分のアメリカ大学院留学時代を思い出していました。
私は日本の大学を卒業後、アメリカのオハイオ大学院に進みました。ここには世界中から学びの場を求めた人々が集まっていました。出身国を挙げてみると
- アメリカ
- 中国
- インドネシア
- 日本
- トルコ
- ブルガリア
- モロッコ
- サウジアラビア
- マラウイ
- ガボン など
またアメリカ人の方もPeace Corpsと言ってアメリカ版青年海外協力隊で海外から戻ったばかりと言う人が多くいました。その滞在先を挙げると
- 韓国
- エジプト
- インドネシア
- マリ
- ニジェール
- コロンビア
- ザンビア など
当時の日本はまだまだ日本国内に外国の移住者が少なかったことから、私は海外の方と触れる経験を多く持たぬまま渡米しました。その私にとって多国籍・多文化な場所で過ごした2年は新鮮かつ驚きの多い時間でした。つまり当時の私にとって「あ、この人の文化背景ではこれが当たり前なんだな、でもこちらの人にとってはこれは非日常なんだな」といった気づきが毎日あってまさに異文化体験盛りだくさんの日々でした。
例えば複数の友人とでポットラックパーティーをした時に、ガボン出身の友人は30分経っても1時間経っても会場に現れませんでした。痺れを切らして電話をしてみると、彼はまだ家にいてゆっくりと出かける準備をしているではありませんか!それに遅れたことに対する罪悪感のようなものは全くない様子。これは、彼にとっての時間の流れ方と私やその他の国出身の者にとっての時間の感覚の違いを感じた体験でした。(ガボン出身の方がみなさん時間に遅れるということはないと思うので、これはあくまでも一例です!)
先日の講座生の「他県との比較」を聞いた瞬間、私が20年以上も前に体験した異文化体験は、まさに大学生の皆さんが大学キャンパス内で経験していることと同じなんだなあ、と思ったのです。広島出身の人、東京出身の人、さまざまな地域の人が香川に集まり、香川の文化を感じたり、東京と比較して見たりといったことを毎日体験されているのですよね。
それをさらに広げて地球規模だったらどんな感じでしょうか。文化の違いはさらに大きくなるかもしれないけれど、それを楽しめる心を持って、さまざまな異文化を感じる体験を学生時代にしていただきたいなあ、と思いました。国境が開かれつつある今から、皆さんの人生が豊かになる体験を増やしてくださいね。
オハイオ大学院の仲間と 1993年