皆さんの思う「当たり前」や「常識」は何に基づいているのでしょうか。

 

お箸で食事をいただく

お茶碗は手で持ち上げて食べるもの

冷奴やXXXにはお醤油をかける

 

日本で当たり前にしていることが、海外ではまた別の習慣が存在していたり、そんな習慣が意味を持たないこともあります。

 

そんなことに気づいたのは、私が海外に住んでいた時の経験からです。

アメリカのシリコンバレーで仕事をしていた頃、コンピュータ企業で一緒に働く同僚が

 

I've never had raw fish and I am not planning to.

 

と教えてくれたことがあります。シリコンバレーのあるアメリカ西海岸カリフォルアは人種のるつぼで、中でもアジア圏に面していることもあって、アジア人が多く、日本食やアジアの食事が気軽に手に入ります。それに今や寿司は世界中のどこでも誰でも食べたことはあるだろう、一種のファストフードです。でもその彼女にとっては「魚」はあまり馴染みがない食事。ましてやあの生臭い匂いを放つ魚を生で食べるなんて、あり得ない、ということを説明してくれました。私にとっては目から鱗のコメントでした。

 

また別の出来事。オランダ人夫婦がニュージーランドの我が家に長期滞在していたことがあります。長期滞在なので食事も共にするし、お互いに料理を作ったり作ってもらったりで共同生活を楽しんでいました。そのときに奥さんが

 

I don't like soy sauce.

 

とまた告白されてしまいました!

醤油が毎日の生活の必需品の私にとっては「私、水が嫌いなのよ」と言われたような気分。え、なぜ?という質問しか出てこなかった私ですが、よくよく聞いてみると、醤油独特の匂いや臭みがとても気になるとのことでした。こうやって説明を聞いてみると、想像でしかないけれど、彼女の言い分もわからなくないなあ、と気持ちが変化していったのを今でも昨日のことのように思い出します。

 

どちらの経験からも私は「自分の常識」というものは、私の周りにだけ存在するものであって、必ずしも世の中にまかり通っているわけではないということを思い知らされたわけです。

 

住む場所が変われば、習慣も文化も違います。自分の置かれた環境を "take it for granted"することなく、他人のものと比較してみると新たな発見が待っていることがあります。それは新しい習慣や文化に触れること、自分の慣れ親しんだ物事の捉え方から自分を少し解放してみること、そして自分の習慣や文化を見直し、また改めて好きになること、などなど。あらゆる「ワクワク」の発見が待っています。

 

これが皆さんに異文化に触れてほしい、と思う1番の理由です。そのためにもまずは英語が話せたら異文化に触れる機会が増えます。英語に限りません。外国語を勉強するところが最初の第一歩だと思っています。It is never too late to learn. ぜひ一緒に頑張りましょう!

 

講座生やサポーターたちが積極的に参加する当講座の様子

 

香川大学 英語コミュニケーション講座 講座担当講師 Shelly