バランスの良い学習の大切さ(続き)

 

先週のブログからの続きです。

 

4つの技能をあれこれ同時に学習するのは、どこか落ち着きがなく集中できないように思いますが、実際には、この関連性を理解するとそれが近道であることに気がつくはずです。

 

リスニング学習に焦点を絞って学習したら、めざましくレベルアップしたと言うことをよく聞きますが、これは当然です。初級段階では、時間とエネルギーをかけることで、どの技能もある程度は伸びます。特にリスニングに関しては、下地がなかったのです。耳はスポンジのように英語を吸収し実力をつけてくれます。ただ、中級かそれ以上になってくると、バランスに欠けた学習は正確に理解できないという点から、実力の伸びに顕著に現れてきます。つまり「伸び悩む」のです。

 

そして、もう1つ大切なことは、「英語は異文化の産物である」と言うことです。これを理解しないで、全て日本語に訳し、そして日本文化の知識や習慣のもとに英語を理解してたのでは、いくら技能が身についても、人とのコミュニケーションが円滑に進められません。また、スラング(俗語)を使うことで、一見英語が流暢であるかのように聞こえる場合がありますが、外国人が使うとおかしなスラングもあるのです。英語は英語圏だけのものではなく、世界の共通語としての役割を担っています。色々なバックグランド、宗教観、習慣を持つ人とコミュニケートしなければなりません。その他には、日本人としてのアイデンティティを持ち、相手の文化をそのまま認めることが要求されます。それではじめて、「使える英語」「本物の英語」が駆使できると言えるのです。

 

英語コミュニケーション講座を受講している方には馴染みのあるお話かもしれません。英語の持つ役割にここでも触れています。

 

『悩めるあなたの英語学習カウンセリング』

鈴木カオル 編著

伊藤健一 監修

丸善株式会社 出版