1 バランスのよい学習の大切さ

 

ラジオやインターネットなど音源を聴くときやテレビを見るときはリスニングのみ、人と話をするためにはリスニングとスピーキング、読んだ本について話をする場合はリーディングとリスニングとスピーキングが必要です。何かの講習会に参加する場合はリスニング、資料に目を通すためにはリーディング、そして質問をするためにはスピーキングとリスニングが必要となってきます。また。何かの申請書を提出するときには、その用紙をもらうためにスピーキングとリスニング、そして書き込むためにはリーディングとライティングとが必要です。ここからもわかるように、4つの技能は日常生活の中できっても切り離せない関係にあるのです。ここはどの言語に関しても同じです。

 

つまり「使える英語」を身につけるためには、どの技能が欠けても「コミュニケーションの道具」としての英語を身に付けることにはならないのです。

自分の英語力にあった学習計画を立てる前に、この4つの技能の関連性をしっかりと理解してください。そうすれば、4技能のバランスのよい学習がいかに大切か理解できるはずです。また、どれか1つでも不得手な技能があれば、必ずそれが得意な技能が伸びるのを妨げるのです。そして4つの技能に共有している基礎力の強化は、全ての技能を伸ばすのに必要不可欠な土台です。基礎力とはここでは語彙文法、構文のことをいいます。そして基礎力があれば、特に不得手な技能というのは生まれないのです。

(続く)

 

『悩めるあなたの英語学習カウンセリング』より

鈴木カオル 編著

伊藤健一 監修

丸善株式会社 出版