私は40年近く3歳児から大人までを対象とした英語講座のプログラムや書籍、教材を執筆してきた。それらを開発する中で、大切なことは自分の経験だけでなく、いかに状況を想定するか、そして受講者や読み手のニーズを分析するかだと思っている。10年前から大学生(主に講座生)を対象とした、講座と完全リンクさせた現地5泊6日のシドニー異文化体験ツアーを実施しており、コロナ直前の2019年は681名もの学生が参加してくれ、たくさんの意義のある経験や体験をしてくれた。一生のうちで6泊というのはあまりにも短いと思われるかも知れないが、本当にそうだろうか。ツアーの最終日に行われるまとめの会での学生たちの発表は、涙なしでは聞くことができないほどの感動で溢れている。

 

コロナ禍において現地でのツアーは実施できないのはいうまでもないことだが、では、その時の受講生は何も体験せずに終わっていいのだろうか。長い一生のうちの1年など短いものだとも思う反面、たった5泊6日間のシドニー滞在中の学生の変化や成長をこの目で見てきた私は、コロナだったから仕方ないで済ますことができないと思った。

 

オンラインでのツアーなんて!という声はこだまのように聞こえてきた。でも対面で行われていたクラスも全てオンラインに書き換え1年実施してきた結果、対面とほとんど遜色ない内容のクラスができたし、対面にはないよさがオンラインクラスにはあることもわかった。

 

オンラインツアーは講座とリンクと実施時期を考慮に入れ、また同じ学生が現地のツアーに参加することも考慮に入れ、オンラインだからできる4日間の体験ツアーにした。

 

4日間参加した学生の声を是非聞いていただきたい。

 

*自分に自信が持てた

*自分の意見を持つことの大切さを学んだ

*前向きになれた

*挑戦することの大切を感じた

*海外に興味はなかったのに、外の世界を見てみたいと思う

*夢を叶えていきたい

*相手を認めることの大切さを体験した

*自分の意見を伝えることの大切を感じた

*子供の時に描いていた夢に挑戦したい

*自分の好きな事を追求していきたい

*挑戦すれば、また新しい挑戦に出会える気がする

*夢を追いかけたい

 

これらのどれをとっても、英語コミュニケーションを超えた彼ら自身の将来への何かを掴んだということではないだろうか。

 

そして、『自分の人生を豊かにするのに英語があってもいいって感じた』と言ってくれた学生もいた。

 

これは、当講座やツアーのポリシーである、英語は道具・英語を教えない・英語の間違いを正さない・コミュニケーションの楽しさを体験・とにかく体験・人との関わりを楽しむ・自分を知るをたくさんの講師たちと守り続けてきた結果だと思う。私は、英語コミュニケーションを通して、「生きる力」を育みたいと考えている。オンラインツアーでもたくさんの学びがあること、人生感や将来の夢に影響するほどの大きな体験や力を与えてくれるということをオンラインツアーに体験した学生たちが証明してくれた。

 

不測の事態が起きる世の中、All or Nothingではなく、Turn anything to profitの柔軟性が大切だと思う!

 

シドニーオンラインツアーの様子。

 

鈴木カオル