私は神戸の大学を卒業後、アメリカの大学院に入り、英語教育の勉強を始めました。

 

アメリカでは大学から大学院にストレートに入る人よりも一度社会経験を積んだ上で大学院に戻り理論を学ぶ、という人が多いように思います。そんな中、大学から院に進み、それも海外で英語で学ぶというかなり難関な道を私は選んでしまいました。

 

そんな私に待ち受けていた最初のチャレンジは「クラス内での発言」でした。

 

大学では先生のレクチャーの途中でも生徒が手を上げて質問をぶつけます。また自分の実体験に基づいた意見をクラスで共有するなど、クラスへ貢献しています。またその貢献がも授業の評価の一環となります。こんな授業は私は日本では受けたことがなかったので、慣れるまでに時間がかかりました。いや、2年間の大学院生活の間、これに慣れることなく終えてしまった、と言うのが正直なところです。

 

今の日本の大学生の方を見ているとクラス内で自由に意見することに私の時代よりも、ずっと慣れていると感じます。自分の意見を安心して言える環境があるというのは素晴らしいですね。

 

一方で学生の皆さんは意見を言うときにこんなことを考えながら言葉を発しているでしょうか?

 

 その意見は建設的であるか

 クラスへの貢献となる意見であるか

 ポイントは明確であるか

 

私はこれらを考えながら当時アメリカの大学院の教室で意見していたかというと・・・答えはNO! 皆さんはどうですか? 

 

英語コミュニケーション講座で実施するSpeak Outのコーナーでは、自分の体験や意見を自由に英語で話します。初めはたどたどしくても同じテーマで何度もパートナーを変えて話していると、スムーズに自分の言いたいことが言えるようになっている、と感じている様子が講座生の皆さんから伺えます。口から言いたいことが出てくるようになると余裕ができて、2、3人目のパートナーと話すときには言うフレーズや単語を変えてみたり、文章や論理の展開の仕方を少し工夫できるようになりますよね。

 

また相手が変わることで、会話の流れも進む方向も変わってきます。相手の反応を見ながら話す内容を変える、さっきとは違ったあいづちを変えてみるなど、さまざまな練習ができます。

 

私もアメリカの大学院に進む前に、Speak Outのような練習の場があれば大学院生活は大きく変わっていたかもしれません。皆さんがここで培った会話のスキルは、海外の大学院に行かずとも日本国内外どこででも使えるスキルです。社会に出て同僚や先輩とお話しするときにも無意識にこのスキルを使って会話をすることになります。それが英語、日本語、また他の言語でも行えるようになると素晴らしいですよね。

 

Enjoy conversation with your friends.

 

2000年11月 太平洋を渡る旅の途中メキシコにて。

 

 

香川大学 英語コミュニケーション講座担当講師

Shelly