19歳で留学するために渡米し最初に参加した語学学校は、日本の旅行会社が主催していたためにクラスメートは全員日本人。大学卒業、院生、院卒でアメリカに留学するためにやって来たお兄さんやお姉さんたちだった。最年少だった私は、彼らからたくさんのことを教わり現地の大学生たちも紹介してもらった。

 

彼らが現地の大学生とカフェや食事に行く時には誘ってもらい、彼らの話に耳を傾けた。英語は徐々に聞こえるようになっていったが、たまに聞き取れても今度は話している内容についていけなかった。また、たまに理解できる内容でも、急に意見を求められても自分の意見が言えない。意見が言えないというより、とっさに自分がどういう意見を持っているのかを自分自身が理解していないというのが正直なところ。少し前まで受験生だった私は、自分の意見などをじっくりと考える機会させ持ったことがなかった。

 

当時はインターネットもなかったため、日本の家族に電話をして教科書や本を送ってもらった。現地ではなるべく英語の本を読もうと決めていたけれど、知識を入れたいときは英語より日本語で読む方が読むスピードは断然早いし正確に理解できたからだ。ただし、読んだ内容をそのまま英語で誰かに伝えたいときは、日本語全てを正確に英語に翻訳できないために時間がかかっても英語で読むことが大切。また、読んだ本に関して考えるときは、英語で考えメモも英語で取る。

本だけでなく興味のある映画を観て、英語の説明を英語で考え好きなシーンや感想も英語で考える。美術館や画廊などちょっと気になる所には足を運んで、感想や意見を英語で考える。(これは、海外にいなくても日本でもできますので、是非皆様にも試していただきたい)

たわいもない会話はすぐに英語でできるようになります。ただし、もっと深く話し込んでいくためには、相手の言うことを理解するだけでなく英語とは関係のないあなた自身のことが問われるのです。つまり、知識を問われることもありますが、それ以上に意見や気持ちを伝えることが求められます。難しい英語を使う必要はありませんが、自分の意見や気持ちがはっきりとしていないと平易な英語を使っても相手には伝わらないし、自分がわかっていないことは英語では表現できないのです。ビジネスではなくプライベートでコミュニケーションを円滑に進めるとは、話し込むことだと思います。

日本での高校時代は大学受験を目指しているため、知識を習得し理解することは求められても自分の考えや意見を求められる機会はほとんどないために、意見や考えをすぐに言えるように訓練しておく必要があるのです。こちらは英語力を磨くのと並行して進めておくべきことです。


つまり、日頃から以下の練習を行うことで、習慣化することが大切です。
単に知識を入手したい場合、日本語で読む
説明や引用したい内容については、英語で読む
読書を楽しむ場合は、英語で読む
メモは、英語で取る
頭の中で考えるときは、英語で行う
独り言は、英語で言う

ニュースや情報番組などについて、自分の意見や考えを英語で考える

ドラマなどの番組を見る時は、主人公に変わって自分だったらこうするのにと英語で考える

 

とにかく、今英語力をつけたい、英語で外国人と話をしたいと思っている方は、自分磨きをしましょう。英語力アップやコミュニケーション力アップは、目的や目標ではなく手段にすぎないのです。英語力アップやコミュニケーション力アップは自分磨きをするための大切な要素と受け止めて欲しいです。英語でコミュニケーションができると楽しいです。語学学校当時に出会った現地の大学生たちは何十年経った今もとても大切な友人であり、私のよき理解者です。私の人生の宝物です。

 

 

筆者19歳 カリフォルニア州バークレーの語学学校 (真ん中が自身)

 

☆鈴木カオル