皆さん、こんにちは。初めまして。

 

大阪市立大学でTOEICコミニュケーション講座のスタッフをしていました、たけしと言います。

私は1年生の時に講座を受講し、2年生以降はリーダーとして講座に関わって来ました。現在、大学で化学の研究をしています。

 

研究活動で重要なものの一つに「学会」があります。各地の研究者が集まり、最新の研究成果について発表・議論するイベントで、特に「国際学会」は世界各国から研究者が来ます。公用語はもちろん英語です。

 

私が所属している研究室は、国際学会の主催グループの一員になることが多く、4年生で研究室に配属されたその年から何らかの役割を担ってきました。

 

今回は、国際学会を紹介しつつ、「英語とコミュニケーションの基礎」の大切さについてお伝えしたいと思います。

 

海外から招待する研究者との連絡などは先生方の役目で、我々の最初の任務は、空港での研究者のお出迎えです。

 

フライト情報を確認して、飛行機到着が入国手続き中に変わった頃から、絶対見逃さないぞという気持ちになります。学会名と名前が書かれたウェルカムボードがあるとはいえ、相手はこちらの顔が分からないけれど、こちらはかはホームページで予習済みです。無事合流して挨拶を済ませます。

 

次の目的地までのバスの移動中、機内で寝れなかったとか、何か喋りますよね。研究者は「研究テーマ」というトピックがあるので、話す内容は尽きないのがいいです。初めて日本に来られた方は、窓から見える風景を楽しむ方もいます。日本のことを話したり、相手の国・地域のことを聞いたりもします。

 

学会が全4日間の場合、1日目の昼から受付が始まり、その日の夕方にWelcome Reception、続けて初日の発表があります。終わるのはだいたい20時から21時くらいです。2日目と3日目は朝から晩まで発表があります。途中、昼食(弁当)、夕食(立食形式)と何度かコーヒーブレイクが挟まれます。3日目、すべての発表が終わるとBanquet(懇親会、晩餐会)があります。4日目はエクスカーションに行きます。

 

さて、私が講座を受講していたときに、国際学会のことを意識していたでしょうか。学会ではこういう表現を使います、などということを講座で教わったでしょうか。

 

そんなことはありません。

 

大学入学当時、私は漠然と研究者になりたいと思っていました。英語は必要だろうということは分かっていましたが、実際どのような場面で使うのかは想像できていませんでした。そんな私が講座で行ったことは、皆さんと同じテキストであり宿題であり会話でありスピーチでありアクティビティです。それらはすべて基礎の部分に当たります。その上に何を積むかは皆さん次第です。私の場合は研究活動で、学会はその一部だということです。

 

安定して物を積むには、基礎がしっかりしていなければいけません。たくさんの物を積むには、基礎が広い方がいいでしょう。

 

自分の研究と関係のある他分野の論文を読むことがあるのですが、まず専門用語がわからない。本やネットで調べても新しい専門用語が出てきて混乱したり、断片的な知識を得ただけで止まってしまったり。基礎を学んでいないので何が重要なのかがわからない。調べている時間もなくて放置なんてこともあります。

 

または、そして思うんです。あの時勉強しておけばよかった、と。

 

この記事を書いている中で、講座を受講していなければ英語コミュニケーションが必要な係になっていただろうかと考えてみました。仕事はいろいろあるので英語を使うことを避けることもできたはずです。

 

でもそうしなかった。なぜでしょうか。

 

振り返ってみれば、基礎があったからこそ、それを生かそう、それを使っていこうと思ったのでしょう。

 

もしかすると、今はまだはっきりした将来像が見えていない方もいるかもしれません。

英語はあなたの将来に有利に働きこそすれ、不利になることはありません。

皆さんそれぞれに専門分野の基礎を勉強中だと思いますが、そこに英語を足すことで新しい視点が得られるかもしれません。

私の体験談が少しでも皆さんのお役に立てたならば幸いです。

 

初めて英語で発表した北京カンファレンスにて  (2012年)

 

2008年 大阪市立大学講座生

2009-2017年 同大学リーダー担当

たけし