私が担当させていただいている大学では、コロナの影響を受け2020年度前期はオンラインによる講座での実施となりました。

 

オンライン講座がいざ始まってみると、これまでとは違った様々な技術や準備が必要になりました。そこで今日はオンラインによるコミュニケーションで、私が気をつけている3つのコミュニケーションスキルをお話します。あくまでも私個人の私見なのですが、オンラインによる授業やミーティングなどが増える今の時代において、皆さんの日々のコミュニケーションのヒントになれば幸いです。

 

1.Exaggerate

人とのやり取りの中で、私達は言語以外の「ノンバーバル」なコミュケーションメッセージを送っています。それは顔の表情、手ぶり、姿勢の取り方など、知らず知らずのうちにあなたの気持ちを伝えています。オンラインでは目の前にいる時以上にこのノンバーバルコミュニケーションに気をつける必要がありそうです。それはカメラ越しだと伝わりにくことも多いから。

 

普段ならあなたの喜びは目の前にいるだけで伝わるのに、カメラ越しだとわかりにくいことも。そこで私は意識的に顔の表情を作り、「私は今あなたの話を聞いてるよ」「あなたに同意してるよ」「嬉しい」といった自分の気持ちを、少し大げさな表情、手ぶり、体の動きなどを使って、少し大げさに伝えるようにしています。

 

2.Time Lag

インターネット上でのやりとりでは0.5~3秒ぐらいのTime Lag (時差) が発生します。電話や対面のときには、相手の話にすぐに反応してこそ、会話が生き生きとしてくるもの。ところがビデオによる会話では、お互いの声が被り、聞き取れない、もう一度会話をリピートする、なんていうコミュニケーションブレイクダウンが起こりがちです。

 

また教室のような場面でこちらの質問に対し、挙手などの反応をお願いした時に、数秒後でないと反応を見ることができないため「待つ」という行為が加わります。このような時差の対処法として、私は「いつもよりもゆっくりと話す。1文を言い終えたら少しポーズを置いて、他の人が意見を言ったり、反応する時間を数秒取る」というのを心がけています。それでもせっかちで早口の私は、ついつい突っ走って話すことがあり、講座の中ではサポーターに「Shelly, XXが手をあげてるよ」と声をかけてもらうことがよくありました。

 

3.Get to the point - yes quickly please!

カメラ越しに発言すると、「スポットライト」が当たっている状態になります。そんなとき「焦ってしゃべり続け、いつも以上に時間を取ってポイントレスに話してしまう人」と「できるだけ早くスポットライトから降りたいから短く話して終わる人」など、その反応をは様々です。

 

いずれの場合も「言いたいポイントを明確に」かつ「手短に」話すことが大切。これは対面の時にも同じスキルが必要なのですが、オンラインでの発言は、一人ステージに立たされるようなイメージになり、普段以上に発言にストレスがかかりがちです。オンラインだから自分の言いたい意見を言えない、なんてことを避けるためにも、「言いたいポイントをはじめに」それも「手短に」話すように心がけることで、コミュニケーションが円滑に進むのを、私は実感しています。

 

実はこれら上記の3つのスキルは、「英語スイッチ」として私たちが講座で活用しているスキルにも重なります。

  • 英語で話すときに、少し大げさに相手にわかるように話してみる
  • 相手の反応を見ながら会話を進める
  • 日本語のロジックでなく、英語のロジックに従い、言いたいポイントを先に述べる

Don't they all sound familiar?

 

オンラインによる人とのやり取りが増えて、新しいコミュニケーション力が求められています。それは決して悪いことではなく、これまでのコミュニケーション方法を見直す良いチャンスになると、私は考えています。対面であれオンラインであれ、コミュニケーションとはキャッチボールの相手の気持ちに寄り添いながら、自分の伝えたいメッセージを正確に伝えること。カメラ越しでも、人とのコミュニケーションを大切にしながら、このコロナ渦をみんなで一緒に乗り越えていきましょうね。

 

Happy communication to you all!

 

Photo - thanks to: Chris Montgomery on Unsplash

 

 

☆香川大学担当講師

Shelly