COVID-19のことが報道され始めてから今日までに多くの学生や社会人と話をして、今私が思う「ポストコロナの時代に必要となるグローバル人材」とは、以下の「グローバル人材」の概念にある3つの要素に加えて、「考える力」と「ストレス解消法」が重要だと考えます。

 

「考える力」とは、何が起こるか分からない状況の中で、いろいろな可能性を考え、それに対する対処法を多角的な見地から想定する力のこと。また、多くの情報の中からどれが適切なのか、また時としてどれが自分に合っているかなどを見極める力、そして、自分の果てしない可能性を信じ、ポジティブにかつ冷静にもの事を見つめる力。そのためにはまず自分を知ることから始めて欲しいと思う。たくさんの人に出会い語り合い、時には討論をする。また、たくさんの本を読み、感じたり考えたりすることを積み重ねること。そして、その二つは自分を鍛えることでもあり、自分との出会いももたらしてくれる。そのためにはノウハウという近道を読み漁るのではなく、急がば回れでも自分自身で体験を一つ一つ積み重ねていくことが大切です。

その過程には、孤独感、迷いや時として対処できないと思う不安やストレスを感じるかもしれないけれど、自分がわかれば自分を信じることで先に進むことができると思う。そして、そのためには心を無にして物事を客観的に見つめることができるような冷静さをもたらしてくれる自分なりの「ストレス解消法」を身につけておくことが大切だと思う。音楽、料理、絵画、キャンプ、山歩きなど何でもいい。溜まったストレスに風穴を開ける手段、これは考える力をつけるのと同じくらい見つけるのに時間がかかるかもしれない。でも、学生時代は失敗も再挑戦も大目にみてもらえる貴重な蓄積時期ですので、大いに冒険をして色々な引き出しを知識や心の中に作って、焦らず少しずつ自分で見つけた宝物で埋めてほしいと思います。

 

TOEICテストの発案者である北岡靖男氏は、私が在籍した短い期間でしたが、世界の様々な国から訪問されたお客様に会わせてくださったり、異業種の人脈作りはとても大切だと私と同世代の人たちの集まるグループを紹介してくださったりもしました。そして、毎週1日朝から夕方まで北岡氏に紹介していただいた茶道の大先生のところで茶道を習わせていただき、茶道で何より大切なのは心であり人間の厚みだと大先生が言われておられたのをこれを書きながらふと思い出した。そう言えば、30年程前のあの頃、GlobalizationとかBorderlessという言葉がついた本がたくさん出版されていた。そして、コロナ禍でそれを実感するのはとても残念だけど、これこそを想定外の出来事というのだろう。

 

 

イラン人のルームメイトKobra、UAE、サウジアラビア、イラクからの留学生達。バークレーにて。真ん中の赤と白の服が私。

 

鈴木カオル