グローバル企業3社に合計二十数年間勤めていた間に、いろいろな海外経験を積み重ねることができた。大半は出張ベースだったけど。海外経験を通じて学んだこと、その中でも私が大切だなと今でも感じていることをたくさんある中から3つ、書こうと思う。すべてビジネス目的だったので、多少の偏りは容赦してね・・。

 

(1) コミュニケーション力

当たり前のことだけど海外で仕事をするわけだから、これがないと仕事のアウトプットにつながらない。ただ、異国だから、日本で日本人を相手にするのと同じようにしても同じ結果は得られない。語学力に自信がないとか、内向きな性格だからとか、は言ってられない。裸で体当たりするつもりで、とにかくあの手この手、バーバル・ノンバーバルを駆使して自身を表現し理解してもらうことに徹する。もちろん、聞く耳も立てて相手の言うことを理解するよう努める。それも、必死のパッチで(笑)・・・。疲れるよ、もちろん。でも、通じたときにはその疲れも吹っ飛んでしまうのだ。

 

(2)ダイバーシティ

二つ目は、ダイバーシティを受け入れる器が必要だということ。いうまでもなく世界にはいろいろな人種が存在する。日本人は世界から見ればマイノリティ。日本国で日本人どうしだけの価値観にて仲間とつきあったり、仕事をしたりすることは容易(というか当たり前)だが、海外に出たときにその価値観で人を理解することやものを判断することはかなり危険である。人種・言葉・文化・価値観等々の「違い」「ダイバーシティ」を意図的に意識・理解し、そういった違いを自分の価値観の中で咀嚼・理解しながら、相手と同じ土俵にたったうえで、その違いをも尊重しながら、理解を深め合っていくこと。これが、結果的に先に述べたコミュニケーションの向上にもつながる。

 

(3)アイデンティティ

最後に、自分のアイデンティティを見失わないこと。先述した違い・ダイバーシティの中に身を置くと、周りの環境が激変し、自分の存在価値すら不透明になりがち。確固たる自分の考えに基づいて何がやりたいか、何を伝えたいかを明確にし、それを英語にて表現しなければならない。容易なことではないが、少なくともその姿勢を体現し理解してもらえれば、相手も自分を尊重してくれ、お互いの理解を深めることができるようになる。そういえば、海外に出ると、いつも、「ヘイ、カモン、オレは日本からきた田中武次や」と、心の中でうそぶいてた(笑)。

 

以上、3つはそれぞれが単独に作用するわけではない。特に海外では、ダイバーシティを理解・尊重し、自分の明確化したアイデンティティを軸として、自分を正しく理解してもらうように言動をとることが成功体験につながると、考える。

 

 

1998年米国本社スタッフと@自宅

 

☆英語コミュニケーション講座講師

ニックネーム:Jie