英語を身につける利点は?と大学生に尋ねると

 

世界中に友達がたくさんできる

仕事の幅が広がる

かっこいい

 

いろんな答えが返ってきますが、その中でも私は

 

情報の宝庫

 

にアクセスできることを強調してお話しています。

 

皆さんはどのリソースから情報収集をしていますか?インターネットの記事?動画?あるいは新聞やテレビでしょうか?それは日本語だけですか?英語で情報を入手することもあるでしょうか?

 

私がニュージーランド在住中、日本人を巻き込んだ事件が現地で起きました。そのニュースは日本やニュージーランド、その他の国でも大きく報道されました。そのときに「私が見る事実」、「ニュージーランドメディアの伝える事実」、「日本メディアの伝える事実」に違いがあるのを見てきました。報道には「自国にとって重要な情報」のみを伝えることで、切り落とされる部分に実は大切な情報が含まれていることもあるのも、そのときに知りました。

 

具体的には、当時流れた世界のニュースでは、事件にかかわっていた日本人に関する情報に加え、日本のメディアの倫理観を問い正す報道が流されました。その一方で日本のメディアは事件に関与していた日本人についてのみ述べるだけでした。

 

つまり伝える人によって重要と感じるウェイトが異なる、ということです。

 

これは今世間を騒がせている新型コロナウィルスの情報も然りです。日本で伝えられている情報は、英国放送BBCやアメリカのCNN、オーストラリアの国営放送局ABC、またその他の国とは微妙に違うことがあります。また政治的な理由から伝えるもの、切り落とすものがあることもあるでしょう。

 

情報を収集するときに、日本語だけでなく、英語など別言語でも情報を集めてみてください。英語で新聞やニュースを読んだり聞いたりするのは、ハードルが高く感じるかもしれません。でも皆さんはすでに母語で持っている知識をもとに情報を外国語でインプットするわけですので、ある程度単語を覚えると推測力と予備知識を駆使して、かなり高い割合で正確に理解できます。1週間ぐらい続けてみると、そのことを実感いただけると思います。日本語だけでなく、別の言語へと情報リソースを広げるだけで、皆さんの情報の量と深さが変わってきます。「こちらの言語にはこんなバイアスがある」「この国の報道はこういった歴史的背景があるから、このように事実を伝えているんだな」そんなふうに情報を見抜き選択する力を身につけることができるのです。そして様々な言語で集めた情報の中から、皆さんにとって重要かつ正確な情報を選んでほしいと思います。

 

多言語から情報を入手するとそこには情報の宝庫が広がっていることを、実際に英語で情報を集めてぜひ体感してみてくださいね。

 

 

**写真:太平洋に浮かぶニウエという小さな島にて(2001年)。
人口1500人程度の小さな国ですが、ここでの共通語は英語。英語というツールがあるからこの国の人たちと直に触れ合い、独自の文化を体験することがで
きました。

 

☆英語コミュニケーション講座講師
ニックネーム:Mitsi
香川大学担当