『しっかりと理解したいのでテキストの訳が欲しい』とこの講座の受講生より時々言われます。

 

気持ちはよくわかりますが、私たちは敢えて和訳をお渡ししていないのです。

 

 

皆様はこの講座では教科としての英語を学んでいるのではなく、コミュニケーションツールとしての英語を習得しようとしています。 

 

『教科』としての英語は「精読を通してきっちりと理解すること」が求められますので、和訳は大切です。

 

 

ですが

 

「コミュニケーションとしての英語」

 

『正確さよりも伝えたいことが伝わるか』

 

が優先されるのです。

 

 

文法や語法が少々間違っていても、言いたいことが伝わってやりとりができればコミュニケーションは成立するのです。

 

 

この講座ではこの考え方をしっかりと理解してもらうために、敢えて和訳を渡さないことにしています。

 

 

 

実社会で英語を使っていると100%理解できないことも多く、モヤモヤした気持ちのまま会話を続けたり読み物を読み続けたりすることは当たり前のように起こります。

 

 

私たちの日常でも本読んでいる時にちょっと難しいなと感じたり、「よく理解できないけどまぁいっか」と先に進むこともあると思います。

 

また、同じ本を読んでいても、人によって感想や解釈が異なることも多々あります。

 

 

 

 

同じ大学1回生でも同じ漢字を全員が読めるとは限りません。

 

国語が苦手であったり漢字が得意であったりと様々なのです。でも全員が日本人で「日本はペラペラに話せ、日本語ネイティブです」と答えるはずです。


コミュニケーションのための英語も同じように考えましょう。

 

つまり、この講座で修得しようとしているコミュニケーションのための英語は、内容に焦点を当てることが求められるのです。

 

 

その内容をより正確に迅速に理解してもらうため相手に負荷をかけないために文法や語彙が求められますが、これは、もう一つ先の段階でのことです。

 

 

今文法の正確さや語彙を増やすことにこだわってしまっては、流暢さとコミュニケーションの勘を養うことができません。

 

流暢さとコミュニケーションの勘は、相手に伝えたいことを理解してもらうために必要不可欠な条件であり、正確に理解したい正確に話したいと言う気持ちがこの二つを習得する妨げになってしまうのです。

 

ですから、今は100%理解できないモヤモヤに慣れて、次の段階まで進むことが大切です。

 

 

 

受講生の中でTOEICスコアが750点を超えている受講生もおられますが、その方々は850点を目指してもらうためにスピード処理能力を養っていく必要があります。

 

 

そのためにはスピーキングにおいて流暢さが求められます。そして、850点くらいになると900点台を目指してもらうために、流暢さもですが教科で求められたような正確さが再度必要となります。

 

 

英語コミュニケーションの習得度によって、焦点を当てるべきところが変わってきます。

 

 

ちょっと説明が長くなってしまいましたが、モヤモヤに慣れることがリーディングとリスニングをめざましく伸ばしてくれますので、英語コミュニケーション習得には欠かすことができないのです。

 

 

講座総括 鈴木カオル