中学では英語が得意で成績がよかった私は、地元の進学校に合格。

 

しかし、高校に入学すると毎日ラグビー部のマネージャーとして部員のユニフォームの洗濯に追われ、勉強よりも部活を楽しむ毎日だった。

 

 

「ああ、このままどこか適当な短大でも行って結婚でもするんだろうな…」と思っていた高校3年の夏休み。

 

見かねた母が当時ニューヨークに10年在住で、一時帰国されていた地元出身の女性に出逢わせてくれた。

 

 

彼女からニューヨークでの生活やアメリカと日本との文化や生活の違いの話を聞いて、「私もアメリカに住んでみたい!そのためには大学に行けばいいんだ!」という安易な考えでアメリカへの思いがどんどん膨らんだ。

 

父に相談すると「まずは日本で短大を卒業して海外に行ってはどうか?」と言われ、それから受験のための英語の勉強をした。

 

 

短大1年の夏、待ちに待った初海外。

 

夢にまで見たアメリカでの3週間ホームステイプログラム。

 

しかし、高校3年の夏から受験勉強のためだけに暗記して身につけた私に英語で会話などできるはずもなかった。

 

 

いよいよアメリカオレゴン州、ポートランドに到着。

 

ホストファミリーと初めて会うオリエンテーション会場に向かうバスの中で、何度も英語の挨拶のフレーズを思い出して心の中で呟いていた。

 

 

会場に到着し、私は期待と緊張で胸がドキドキ。

 

ホストファミリーとマッチングで自分の名前が呼ばれた時、初めて身近にみる外国人を前にあれだけ練習していた言葉が全く出て来なかった。

 

でもその時、ホストファーザーとホストマザー、小学生ぐらいの男の子と女の子は笑顔で私のところに歩み寄ってくれ、思いっきりハグをしてくれた。

 

初めてのハグにびっくりしたが一気に緊張がほぐれた。

 

どんな挨拶をしたかも覚えていないけれど、あの時のホストファミリーのやさしさ、暖かさは今でも忘れられない大切な思い出となった。

 

 

3週間という短い間でなかなか自分の意思や気持ちを言葉にすることができない私に、ホストファミリーや英語学校の先生は理解しようと辛抱強く耳を傾けてくれた。

 

自分の知っている単語をジェスチャーなども使って相手に伝わった時はとてもうれしく自信となり、帰国後にアメリカへ留学するための勉強を続けるモチベーションへと繋がった。

 

 

アメリカから帰国後、TOEFL(留学生がアメリカの大学へ入学するための英語能力測定試験)の勉強だ

けでなく、洋画を見たり、英語の本を読んで楽しみながら勉強をして、無事にアメリカの大学に編入できた。

 

アメリカでは大学の授業の一環でボランティアを体験したり、アメリカ人の友達だけでなく、韓国やUAE、インドネシアなどから来ていた留学生と交流も深め、充実した大学生活を過ごした。彼らとは今でも連絡を取り合い、当時のことを思い出して話すこともある。

 

私は人と接するのが大好きだ。

それは日本語であろうと英語であろうと変わらない。

人とコミュニケーションをとることは私に「パワー」を与えてくれる。

 

これからもたくさんの人と出逢い、『言語』というツールを使って世界を広げて行きたいと思う。

 

 

☆英語コミュニケーション講座講師

ニックネーム:Rommy(ロミー)

広島大学・高知大学担当

 

写真は、ポートランド州立大学の卒業式にて。

左より同じ大学に通っていた日本人留学生、私(中)、インドネシア人の留学生