随分以前のことだが、英語の唯一の国家試験である通訳ガイド試験(現全国通訳案内士)の英語主任面接官を10年以上務めていた。

 

その時に思ったのは、しっかりと暗記して綺麗に文が言えることより、文法に多少の間違いがあってもどのような質問にも柔軟に対応できる力が必要だということ。結局英語力だけの問題ではなく、コミュニケーション力を含む人間力みたいなものが必要だということ。

 

通訳案内士というのは、一方的に名所旧跡を英語で説明するだけでなく、参加者の質問にも答えないといけない。専門的な質問やかけ離れた質問、時事問題も質問してくることことがある。それらに対応して、参加者にツアーが楽しかったと思ってもらうためには英語力だけの問題ではなく、コミュニケーション力を含む人間力みたいなものが必要なのだと確信した。

 

 

大手の英会話学校で契約講師として働いた時、フレーズを暗記してシチュエーションの中で使う練習をたくさんした。でも、それより雑談や何かの説明を全て英語でしてもらうことで受講生の英語力が目覚ましく伸びた。

 

 

TOEIC普及団体にいた時のこと。

企業から「800点を持っているので採用したのに、英語で電話の応対すらできない。どういう試験なんだ!」ってお怒りの連絡を何度も受けた。

試験に問題があるのではなく、受検者の勉強方法に問題があるのだ。消去法で点数が取れても、自ら発信できなければ英語の使い手とは言えない。

 

 

小さな英会話学校で小学生に英会話を教えたことがある。

障害がある児童が2人いた。1人の児童はいつも学校で笑われているらしく、指名しただけで泣いていた。もう1人はいつも下を向いており、彼の顔を正面から見たことがないだけでなく、声も半年以上一度も聞いたことがなかった。彼らにとって英会話を学ぶ意味があるのだろうかと自問自答する日々が続いた。

 

ある日閃いた!英語を使って笑わせたり、挨拶をする声を聞こうと決めた。

1年近くかかったけれど、ケタケタ笑う声と自分のことを話してくれる声が鳴り止まない時がきた。英語って素晴らしいと思った瞬間だった。私は英語を学習の目的とするのではなく、「手段」として使おうと心に誓った❤️

 

たくさんの経験を経て、この講座が出来上がった。

 

日本にいながら、いざという時に直ぐに使える本物の「英語コミュニケーション力」を修得させる。英語を通して自分に必要なことを学び、自分自身を成長させる。そのような講座にしたいと思った。

 

これって英語講座なの?と疑問に思う人もおられるとは思うが、日本人に必要なのはそのような英語コミュニケーション力だと確信している。