高校時代は英語が得意で大好きだった19歳の私は、アメリカに単身留学をすることになった。

 

女子大付属の語学学校でのクラスメートは中近東や南米、北アフリカの出身で、日本人は一人だけ。3クラスの中の真ん中のレベルなのに、休み時間はとにかくよく喋って笑う。

 

仲間には入れてもらったものの話にはついていけず、ただ訳も分からずうなづくだけで話が振られないように心で祈る日々。

 

文法や作文の時間は得意。でも、スピーキングの時間は相変わらず苦手。

 

 

間違った英語を話すのは恥ずかしい。気の利いた内容の返答をしたいと考えるうちに話す機会を逃してしまう。

 

耳から入った英語が覚えられない…

 

復唱できない…

 

文法を考えている間に時間がかかるので飛ばされる…

 

 

滞在して4ー5ヶ月経っても、スピーキングの時間は超苦痛。私の番になると先生は露骨にイライラ、クラスメートは大笑い。私と言えば、声が出ずに出るのは涙だけ。

 

 

ある日職員室に呼ばれた。

 

先生が全員集まっていて、何十年英会話講師をしているが、私程スピーキングができない学生は見たことがないとのこと。そこでスピーキングに問題があるのは耳に問題があるからではという結論になったらしい。

 

 

大学病院の耳鼻科に行った。

 

いくつか検査をした結果、耳には全く問題がなかった。帰り道、留学は断念して日本に帰ろうと思った。私には英語は向いてない。あと1ヶ月半で学期が終わるので、そこまでは楽しもうと思った。

 

 

病院から帰り道、先生の車の中でいろいろおしゃべりをした。高校時代のこと、犬が好きで家に愛犬がいること、家族のこと…。意外に話せている自分にびっくり。

 

 

そして…翌日からのこと。

 

英語が聴こえる!

 

耳から入った英語が覚えられる!

 

復唱できる!

 

 

文法なんてどうでもいいと思えて、とにかくクラスメートと話すことが楽しい!どうせ帰るのだから、間違った英語を話しても恥ずかしくない!気の利いた内容は言えないけど、クラスのみんなと話したいし私のことを知ってほしいので、知ってる言葉で幼稚な内容だけど、とにかく即返答した。

 

 

耳から入った英語も覚えられるので、わからないことはすぐに質問した。

 

私に何が起こったのか⁉️英語がそれなりに話せるようになっていた❣️

 

 

この時わかった!

 

 

『文法を間違いたくない』

 

『気の利いた返答をしたい』

 

という気持ちが心や耳に鎧を着せてしまい、英語が口から出ないようにしてしまう。

 

 

そこで、「英語コミュニケーション講座」では、

 

①文法や間違いを訂正しない

②知らないうちに英語を使っていたという状況が大切

③楽しく話ができる環境が必要

④話題が身近であること

⑤話す相手がいること

 

を大切にすることにした!

 

 

つづく。

 

 

鈴木カオル