ラクタとラクドの会話 | 虚空のラクタ

虚空のラクタ

ようこそ


ラクタ「やっとアーミナザン級の艦隊を振り切れたわ」
ラクド「うむ。星系外へ脱出することが叶った」
ラクタ「これでひとまず安心ね」
ラクド「ああ。だがしかし、恒久的な安心など有り得ぬ」
冷蔵庫の扉「ずぼし」
汗拭いて飲み物開けて座るラクタ「おおよその言いたいことはわかるわ」
ラクド「安心とは安定しないもの。安定もまた安定しないもの」
ラクタ「ふん(相槌を打ちつつ飲む)」
ラクド「安心している時点で、安心が崩れ去る未来を想像せざるを得ず、恐怖を併せ持つことになる」
ラクタ「私達のような性格の場合はね」
ラクド「ああ。安定とは不安定な状況にいつでも陥りうるこの宇宙だからこそ生まれた概念。
安定とは崩れ去る世界にこそ存在する。
安心したところで今度は遅かれ早かれ安心を失う危惧が顕在化するのだよ。
とこしえの安心などない」
ラクタ「そうね、本当にそう。それを改めて理解してうんざりするわ」
ラクド「うむ、安心安定を得るからこそ失う恐怖も並行して得ることになる」
ラクタ「ものや立場を失うのを恐れることと同じね」
ラクド「そうだ。そこに通ずる。危機感を持ち得ぬ気質ならば別だがな」
ラクタ「少なくとも私達の船団では皆その不安を持っているでしょうね。そうじゃなくとも、どの星の人も鋭敏に感じているでしょう、この時代」
ラクド「ああ。だからこそより安心できるよう更なる安定を求める。
そしてそれを得るために奮起するのはよかろう」
ラクタ「ええ。それが今の私達よ」
ラクド「無限の渇望だな」
放送のレネメディ「本艦に正体不明の艦が接近中。その規模およそ二、隻数三。本艦のラクタ級は直ちに全船発進してください」×2
ラクタ「休みがない」
ラクド「我らは追われる身、ましてやここでは未知の座標に迷い込んだ旅人、当然の成り行きだ」
ラクタ「これも安心を求めるための道程ね」
ラクド「そういうことだ」
ラクタ「私達お似合いね」
ラクド「元よりそのつもりだ」

~賊艦を迎撃せよ!~

各ラクタ級+その他が発進して敵艦を視界に捉える
ラクタ「迎撃位置についたわ」
レネメディ「わたくしも参りました。ラクタちゃん」
ラクタ「レネメディちゃん。あいつら、攻撃してきそうね」
レネメディ「ええ、攻め滅ぼさんとする気迫を感じます」
ラクド「我らが艦砲で奴らを迎え撃てばよかろう」