【真北測定3】



ちょっと前の話です。

お客様と打ち合わせしていた際に、
そんな真北測量をしなければというお話しをさせて頂きました。

「まだ良いのですが設計に入る前には真北測量をさせて頂きます」
で、
簡単に説明をします。

「今回の建物は日影規制にかかるので真北を測らないと日影図が描けないので」
「なので磁北では無くて太陽の位置を真北を測量で測らせてもらいます」
と。

 




すると、
「いつですか?」
と、
「いやまだまだいいので先の話ですが・・」

なんかすぐにもやって欲しそうな感じ。



では来週くらいに・・
と、
そういえばしばらく雨だって天気予報で言ってたなあ、
来週は無理かなぁ?



そう、
太陽の位置を影で測る真北測量では晴れていることが絶対なのです。
しかも、
出来ればお昼の正午、
つまり12時前後が一番正確に測定できます。
正午からずれるほど補正値が大きくなるので信頼性が下がるんです。

つまり正午頃に晴れている時しか測量できません。
雨が降っても駄目、
曇っていても駄目、
ということ。



するとお客さんが、
「先生!雨は明後日からで明日は晴れですよ!」
って。

え、
いきなり明日?
え~っと、
スケジュールが、
で、
スマホでシュシュシュと確認します。

あ、
明日ならこれるわ・・



するとお客さん、
「あ~でも明日僕はこれない!」



ははは・・
それは残念、見たかったのね。



ってことで真北測量に行ってきました。
所員を連れて。
一人では出来ないので。



当日の正午の現地は快晴で測定にはばっちりです。

 

 

 

 

そこでさっさと測定をします。

真北測定器での真北測量は太陽から出来る影の位置で北を測定します。

この真北測定器は簡単に言えば日時計です。

 

 

 

 

髪の毛より細い糸の線が落とす影の位置を、
測定する何月何日の何時何分の太陽の位置にあわせて、
真北方向を出します。

 

 

 

 


その方向を平板の上に書き込んでおいて、

その方向が敷地のどの境界線からどれだけの角度の方向なのかを出すために任意の境界線の位置を平板測量にて測量します。

その後事務所に帰ってから測量してきた境界線と測定した真北方向の角度を出してそれを設計図に落とし込むという作業になります。



測定器のセットや平板のセットは少し時間がかかりますが、
真北測定自体はあっという間に終わってしまいます。
シュっで終わり。
あとは境界線を測定するだけです。



なので、
天気も良かったので真北測量はあっという間に終了してしまいました。



すると、
ビューンっと一台の車がやってきます。

バーンとドアが開くと、
お客さんが飛び出してきて、

「もうおわっちゃいましたか?」



いやはや、
見たかったのね。
でももう終わっちゃってしまっちゃいました。

「あ~残念!」
って。



仕方が無いのでもう一度測定器なんかを出してきて、
こうやってこういうのを測定するんですよって説明します。

なんか、
こうやってお客様も家作りに参加して行かれるんだな~って
ちょっとうれしくなっちゃいました。



お昼の測量なので帰りに昼飯を食べます。
道路を走っていると岐阜タンメンの店が見えてきました。



なんか最近よく聞くじゃないですか岐阜タンメン。
有名じゃないですか。
しょっちゅうTVでやってるじゃないですか。
名古屋近辺ではあちこちにお店がありますが、
どこもお昼時は大行列で全然入れないじゃないですか。

で私、
岐阜タンメンって食べたことなかったんですよ・・
行列で入れないんです。



入ってみました。
少し並びましたが。



う~ん・・
不味くはない。



て感じ?



なんでこんなにみんな並ぶんだろう?
不思議だ。

 

 

 

 

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【真北測定2】



設計図に描いてある方位というのは真北です。
磁北ではありませんので方位磁石で測ってもずれています。


たまにいらっしゃるんですよね、
ご自分で方位磁石もってきて敷地で設計図広げて、

 

 

 

 


「先生!この設計図の北ずれてます!南はもう少しあっちです!」
なんて言ってくる人・・

 


 


まあ、
別に悪い気はしませんが、
丁寧にご説明して差し上げるだけなんで。



そんな真北ですが、
それを調べるためには真北測量という測量をしなければなりません。

その真北測量をするには、
トータルステーションなどを使って太陽測定する方法と、
真北測定器を使って日影測定をする方法があります。

トータルステーションはいろんな測定を正確にできる測量屋さんの最終兵器ですが、流石に高額すぎて測量屋さんしか持っていません。
フルセットにすると下手すると何百万とかしますもん。

 

 

 


真北測定器はそこまで高額ではありませんが、
それでも平板測量器も必要になるのでまあまあします。



そこで、
まあだいたいの人は測量屋さんに頼んじゃうことが多いのですが、
現況測量なんかと同時に頼んじゃうことが多いわけなのです。

お金かかるのよ・・
まあ真北測量だけで10万はかかります。



それに測量屋さんに頼むと、
届くまでに時間がかかる。

急ぐときなどは何週間も待ってられませんのです。



そもそも、
みなさんが土地を買われた時に頂く測量図や、
お持ちの土地を登記などされる際に測量される時の測量図ってのは、
だいたい地籍測量だけで現況測量高低測量真北測量も、

ま~ずやってはいません。

だって高いもん!

 

そもそも土地売買には必要ありませんから。

 



なので、
設計に必要な現況測量高低測量真北測量ってのはあとからやらなければなりません。

けど、
やると戸建て住宅の敷地であっても何十万もかかります。

もちろん、
そこまで必要の無いような土地もありますが、
それでもないよりはあった方が良いのです。

は~
お客さんにそれやってください!
なんて言ってもまずそんな余分のお金ありませんよね。



なので、
うちでは全部自分でやることにしています。

自分でやれば時間あるときにちゃっと行ってちゃっとやって帰ってこれます。
道具さえあれば。

ただ、
高低測量などのレベルという測量機器はまあそこそこなのですが、
真北測定器はまあまあします!
トータルステーションはもっと高い!ってそもそも使えないし。



は~
 

 

測量機器についてはこちらを。

 

 

 



真北測定器あります。

実はもらいもんなんですが。

平板測量機器もそろえていますし、

もちろんレベルもありますし、

流石に何十年もやってるといろんなもんがそろってくるのです。

 

もうやろうと思えば測量屋だってやれそうです。

ああ・・

そう言えば測量士の資格も持ってますし。

 

 

 

設計って言ってもいろんなことをやらにゃならんのです。

ただ机の上でプランやデザインを考えているだけでは建築家にはなれません。

あくまでも基本は理系なんですね。

 

 

 

そんなわけで先日真北測量に行って参りました。




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【真北測定1】

 

 

ちょっと前の話、
真北測量に行きました。



真北測量って何?
そもそも真北って何?



何って・・
真北は北の方位です。
「しんぼく」と呼びます。

方位を示す東西南北、その中でも基準になる北というものには、
磁北と真北があるんです。



簡単に言うと、
磁北というのは方位磁石が指し示す北のことで、
これは地球の地磁気の極を指す方向のことです。

 

 

 


これに対し真北というのは地球自体の極の方向、
つまり北極点を指す方向のこと。

 

 



実はこの磁北と真北はけっこうずれていて、
東京では7度近くもずれているんだそうです。

しかも、
地球の地磁気の極というのは常に動いているのだそうで、
つまり方位磁石の示す北というのは測るたびに微妙に方向が違う、
ということになります。

ま、
方位磁石ちゅうもんはだ~いたいあっちが北!
を示してるちゅうことです。



ところで、
私たち建築士は建物の設計をする際には、
建築基準法で様々な法律に適合するように設計をしなければなりません。
その中にこの北という方位が大きく関わってきます。



まず日影規制
一定以上の規模の建物の場合は日影図を描いて、
その建物を建てると敷地外にどれだけその建物の影が出来るのか。

夏至の日、冬至の日、
何時にはどこに影、何時にはどこに影、
何時から何時まではどこが、何時から何時まではどこが
とそれを図面にして、
そのの量や範囲が基準値以内におさまるよう計算して設計しなければなりません。

それから北側斜線高度斜線
第一種低層住居専用地域の場合は北側斜線
各市町村が指定している高度地区などの場合は高度斜線
これらは真北方向に斜線を引いてその範囲外には建物を建てることが出来ません。

どれもその建物を建てることによって出来るの影響を規制する法律になります。




は太陽によってできます。
なのでその太陽のある位置が非常に重要になるわけです。



なので、
これらの規制を検討して設計するために、
太陽の位置を正確に出してその建物を建てた時に廻りに出来るの量や範囲がどうなるのかを計算して設計する必要がある、
ということになります。

 

 

 


そこで必要になるのが真北という方位になるわけです。
磁北では太陽の位置とはまったく関係がなくてずれていますし、
そもそも測るたびに方向が違います。



難しい説明が長くなってしまいました。

建物の設計をする際には真北を知る必要がある、
ということはわかってもらえたでしょうか?



そんな真北ですが、
だ~いたいこっちの方向!
なんてのは国土地理院とかの地図を見ればわかります。
こういった地図というのは全て北は真北です。

もう少し細かく見たければ各市町村などが作成している都市計画図などを見ればもう少し正確にだ~いたいの方向はわかります。

ただどちらも地図の方位自体は真北で正確なのですが、
残念なことにそこに描かれている敷地や建物や道路などはそこまで正確ではありません。
だって縮尺が1/5000とか1/2500とかですから。



そのため企画や計画の際にはそういった地図を元に当初は計画しておいて、
後日設計に入るまでに正確な真北を調べる必要があるわけなのです。



方位というのは、
ただ南向きの部屋にするから、
なんてことだけではないんです。

それならだ~いたいで十分なんですが。





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