【建築の公共性5】
 

 

 

なんかしばらくあいてしまいました。

忙しい?

いやはや申し訳ないです。



さて、では続きです。

 

 

本当の街並みを作るのには相当な時間が必要なようです。

昨今は都市近郊などの住宅地住宅団地の土地というのは、そのほとんど全てが住宅メーカーさんや住宅不動産屋さんが買い占めてしまい建て売り住宅や売り建て住宅しか建てられないようになってしまいました。

建売住宅はとにかくとして、
良い場所を見付けてそこで土地を買うと、
その段階で建てる住宅メーカーさんも設計者も勝手に決められてしまうわけです。

建築条件付住宅っていうやつです。
住宅団地ではもうほとんどがこれになってきました。


建築条件付住宅についてはこちらをどうぞ。

 

 

 



普通に戸建て住宅をなんていうと元々土地をお持ちの方か住宅団地なんか以外の土地に建てられるお金持ちの方以外は無理に近い状況です。

住宅展示場なんかで相談なんかしたりすると、

 

 

今考えているその土地はここが駄目であそこが良くないですね、
なんて言われてその会社の持ってる別の土地に買い換えろと必ず勧められます。



まあ、
お金を安くして建てるためには仕方ない一面もある、
とは思います。



そんな住宅地住宅団地は当然同じメーカーや不動産屋さんの家ばかりです。
つまりデザインが全部同じ。

形は違うかもしれませんが知らない人が見ると全部同じに見えます。

それはそれで別に悪いとは思いません。
ぱっと見美しい住宅団地が出来上がります。

 

 




ただ、
そうそこにはランドマークがないのです。
全部似たような住宅しかないのですから。



マンションなどでもそうです。
ニュータウンのような大きな団地ではその一角がマンション用地となり同じ形のマンションが何棟も建ち並びます。

マンションと戸建て住宅を同じ場所に建ち並べることは出来ない、
日影規制などがあり反対され誰も買ってくれなくなるからです。

 

 




いろいろと建築家や都市計画プランナーなんて人達も考えたりはするのですが、
こういう新しい街並みは美しくはなりますが公共性は生まれません。



そこで先のニュータウン
私の実家のあるニュータウンです。

もうニュータウンが出来て人が多数住むようになってから何十年かがたちました。当初ここに家を建てたりマンションや住宅を買ったりした人達はもう相当の高齢になってきました。

家やマンションも相当に古くなってきており、
売ったり建て替えたり全面リノベーションする家が多々出てきています。

世代交代や建て替えなどによって街に若い人達が戻ってきました。



そこの家は建売住宅2軒になった。
あっちの家はなんかすっごく格好いい家になった。
こっちはフルノベーションでおっしゃれになったね。
あそこの団地だったところホームセンターになるって。
そこはコンビニになるってよ。

そう、
どんどん街が変わってきています

 


 


すると、
生まれてくるのです。
街並みが。
ランドマークが。



そこのコンビニの角を曲がったところのマンションだよ。
スーパーの交差点を曲がったら赤い屋根の家を右です。
お向かいにすっごく格好いい打ち放しの家があるから。

宅配便のお兄ちゃんがお宅はどこですか?
なんて電話してくることも少なくなりました。
まあ、今はナビやGPSで迷ったりはしないからなのかもしれませんが。



本当の街並みが出来てきています。
本当の街並みを作るのには長い長い時間が必要なようなのです。

もう1世代・2世代住む人が移り変わると、
それこそニュータウンにも本当の街並みが生まれるのかもしれません。




Atelier繁建築設計事務所HP
http://ateliershigeru.com
よもやま建築日記~家づくりの現場から~
http://ameblo.jp/ateliershigeru/
  

 

 

 

 

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