物を作って売る人達が一番貧乏な国。

昨今少し考えるところがあるのですが、
東京オリンピック前の基本建材の超高騰、

本当に凄かった。
オリンピック施設やインフラ施設のみならず東京中で
やれホテルだ店舗だ民泊施設だウィークリーマンションだと。
鉄骨の値段が１年前の２倍３倍！
鉄骨を止めるためのボルトやナットがどこにもない！
人件費が２倍３倍どころかいくら出しても人がいない！
なんてことが本当に起きていました。

ただまあこれは予想されたことではあったわけです。

が、
東京オリンピックってのは本来２０２０年の７月にやる予定だったのが
コロナのせいで２０２１年７月に１年延期された物だったはずです。

つまり、
オリンピック需要の建築は２０２０年の春頃にはもうとうに終わっていました。

それまで大量に建築されることによる鉄骨などの基本建材の需要が、
その時を境に一切なくなったわけです。

当然誰もがそうなれば需要がなくなるのですから値は下がると思っていました。

なのにそうなりません。
もう２年もたつのに。
逆にさらに上がり続けています。

皆がコロナのせいだと言っています。
けど本当にそうなのだろうか？

昨年来のウッドショック、
材木がありません。
どこにもありません。
本当にありません。
あっても全部大手メーカーさんが買い占めてしまってありません。

値段どうとか言う以前にないんです材木屋さんに。

なので、
家など建てられません。

現在の日本の材木の自給率は３０％程度と言われています。
つまり７０％は外材です。

日本の林業がどうとか国産材は高いからとか、
そういうことはここではおいときます。

米国や中国のコロナによる在宅化、
それによる住宅需要の急伸、
さらにはコロナによる人手不足、
などが引き金になったなどと言われています。

だけど、
今はもう米国の住宅需要も落ち着いています。
コロナによるロックダウンなどによる経済の停滞も米国などではおさまっています。
なのにないのです。
いつまでたっても材木が・・

なんかな～
どこかおかしくない？
って思っているのは私だけなんでしょうか？

そもそも日本では、
コロナの影響で住宅需要などは下がっていると思われます。
つまり材木需要はいつもより少ないと思われます。

鉄骨もそうです。
オリンピック特需はとうにおわっています。
鉄骨需要も下がっていると思われます。

まだ統計などが出ていないのではっきりとはわかりませんが。

でも我々のような実際に毎日建築をしている者の肌感として、
そんなに設計たくさんした覚えがまったくありません。
廻りでも四苦八苦している事務所や工務店ばかりで、
みんな給付金なんかでやっと生きています。

コロナ倒産は飲食店が一番でその次は観光業でも食品業でもない、
建築業です。
廻りでも廃業した事務所や工務店がゴロゴロしています。

なのに需要がそんなに増えてる訳がない。

と、思う。

まあ、
どうせ国の統計とか出てくると、
住宅着工件数とか木材需要量とか回復後上昇傾向で過去最高とか言うんでしょうけど、

嘘ばっかですからね、
自分たちがどうしたいのかに都合が良いようにしか出しませんから、
国の統計って。

どこに行った鉄骨？

どうしてない材木？

値段が高いのはしょうがない、
こういうご時世ですし。

でも、
ないってのは？
なんで？

きっとどこかの誰かがこのコロナ禍がいいチャンス、
ここで儲けてやろうと、
どこかに大量に買いだめしてつり上げたり、
出荷調整わざとして値が下がらないよう画策したり、
投機対象として利ざやを稼いだりしてつり上げたり、
しているのに違いない。

と、勝手に思っています。
はっきり言っときますが、
私が勝手に思っていることでほんとかどうかは知りません。

でも、
最近ちょっと本当に思います。
資本主義ってのはもう限界が来てるんじゃないんだろうか？
って。

義務教育で投資なんかを真剣に教えよう、
年寄りは投資で老後資金を稼げ、
なんて国が本気で言う時代です。

物を作って売る。
これが経済の基本だと思うんですけど？
どうやら最近は違うらしい。

野菜を作って売る、
肉を育てて売る、
魚を捕って売る、
家電を作って売る、
車を作って売る、
食事を作って売る、
サービスを作って売る、
ソフトを作って売る、
人を運ぶことを売る、
通信を作って売る、
システムを作って売る、
そして、
家を建てて売る。

残念なことに、
物を作って売っている人達ってのがこの国では一番貧乏です。

投資ってのはその物づくりを支える応援するための物であって、
投機によって儲ける金儲けための物では本来ないはずなんですけど。
その物づくりが投機によって出来なくなるような経済には将来などないと思うんですけどね。