【ネズミが落ちた!1】



とあるマンションでの話しです。



数年前にフルリノベーションを行わせていただいたマンションの一室がありました。
ある日そのお宅の御主人からお電話を頂いたのです。



「せんせい!床下にネズミが落ちました!
どうしたら良いでしょう?」



は・・?
どういうこと???
何のこっちゃわからんが?



ネズミってあんたそんなもんマンションの4階にいるのか?
そりゃえらいこっちゃ!
捕まえようと追っかけたら逃げてどっかから落ちたの?

そ~ならもう業者呼ぶしかない。



で、詳しくお話しを聞きますとこういうことなようです。

ネズミって言ってもペットのハムスターかなんかの話し。
お子さんがそのネズミっていうかハムスターか何か君をリビングで放して遊ばせていたんだそうです。

そいつが誤って床下に落ちたというか突進した。



そのお宅はマンションですのでコンクリートのスラブという床の上に床揚げを20cmほどしてそこに配管類を通しており、その上に床材を張っています。

さらにそのお宅では、
リビング横に接してリビング内和室がありその和室はリビングの床よりさらに20cmほど畳の面を上げてその段差部分を利用して引き出しが作ってあったんです。

 

まあよくあるスペース利用した便利収納ってやつ、

ようするに造り付け家具です。

 


その引き出しがたまたま何かをしまうために引き出されていたらしいのです。

引き出しを引き出すとその奥には引き出しを締めた時に止まるよう動かないよう板が貼ってありますが、その板は隙間をあけて設置されています。
隙間がないと空気が逃げないので引き出しが締められなくなってしまうからです。

リビングで遊んでいたネズミいやハムスターか何か君がその空いている引き出しの中に脱兎のごとく駆け込んで板の隙間から床下に落ちた・・
ということらしい。



え~
マジかよ?



で、何しろ小さなネズミいやハムスターか何か君のことなのでその床上20cmの隙間に上がって来れないらしいのです。



「せんせい、床下をカシャカシャカシャカシャ走り回ってるんです!」
「どうやって助けたら良いでしょう?」



いや・・
そんなこと言われても?
でもほっといたらネズミいやハムスターか何か君はそのうち床下で飢え死にしてしまうでしょう。
どこにも出口などありませんから。



そこで図面を引っ張り出して眺めながら救出方法を考えます。
このマンションには床下点検口などは設置していません。
床下が小さくて排水はコンクリートのスラブ下に通っているので必要ないからです。

う~ん?

洗面やキッチンの下は空いてなかったか?
畳めくってそこの板外せば元に戻せるか?
やっぱりどこか支障のないところで床に穴あけて後で修復するしかないか?

そもそもどこかに穴開けてもネズミいやハムスターか何か君は床上に上がって来れるんだろうか?
開けた穴に梯子かなんかを作っておけば上がってくるか?

でも大工さん手配して床に穴開けるとなるとお金かかるし、
ネズミいやハムスターか何か君はそれまで生きているのだろうか?

などなどいろいろいろいろ考えます。



考えた上で決行された救出作戦!



さ~って!
はたしてネズミいやハムスターかなんか君の運命は!

救出作戦の行方はいかに!

次回こうご期待。
 

 

 

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