補修屋さんはかわいい?
手に特殊な技術を持った職人といえば、補修屋さんという人達がいます。
現場というのは、常に大きな材料を持ち込んだり、組み立てたり、時には完成しつつある室内でも切ったり貼ったりいろいろな作業を行います。
工事において、内装工事が始まると、完成した部分なんかを材料や機材を運ぶ時なんかにぶつけたりして傷つけたりしてしまったりするんですね。
たとえば、サッシや建具などは内装工事の前に取り付けておきますから、長い木材や壁板なんかを持ち込む時にゴン・・っとやってしまうんですよ。
当然、完成した部分を養生といって、ぶつけたりしてもいいようにカバーを掛けたり板を張っておいたりするのですが、完璧にはむりです。
だいたい、現場監督の罵声が飛ぶのはこんなときです・・。
「バッカヤロー、おまえら何やっとんじゃー」ってね。
本当にひどく傷つけてしまった時は、しょうがないので取り替えます。
しかし、ちょっとした小さな傷や欠けなどを直す場合に登場するのがこの補修屋さんなんです。
この補修屋さんと言う人達の日当はべらぼうに高い!(本当はよく知りませんが・・、工務店の人はいつもそういって呼ぶのをいやがります)。
なんでかっていうと、それは彼らの特殊な技術は他の人達には真似できないものだからなんです。
たとえば、建具の枠にへこみをつけてしまったので直して!と、頼むと、彼らはそこにまずパテを付けて固め、へこみを直し、それからいろんな色の絵の具を広げてパレットの上で建具の色に合わせた色の絵の具を作り、パテの上に細い筆で建具と同じ柄の絵を描いていきます、この絵の具は企業秘密だとかで、乾くと絶対落ちません。
上手な人が直した内装は、まったくどこを直したのかもわからなくなってしまいます。
とんでもない技術なんです。
この補修屋さんに以前いろいろと聞いたことがあるのですが、ノウハウというのは会社が持っているのですが、結局の所、上手い下手はその人の技量ですから、やはり絵の上手い人が多いそうで、その人は美大出だと言ってました。
そういえば、補修屋さんというのは女の人が多いような・・、その人もかわいらしいお嬢さんでした。
男より女の人の方が繊細で向いているのかもしれません。
ああ、だから日当も高いのかも・・、監督達も、高くてもしょうがねえなあーってね。
この補修屋さんには内装だけではなく、コンクリート打ち放し仕上げの補修屋さんなんかもいます。
この人達は、究極の絵描きさんたちです。
コンクリート打ち放しというのは、どんなに綺麗な型枠を使っても、どんなにコンクリートの流動性を上げても、どんなに時期を選んで気を遣って打設しても、そうそう綺麗に打てるものではありません。
そこで、打ちそこなった時や納得出来る仕上がりでなかった時などは、この打ち放しの補修屋さんに直してもらいます。
コンクリートの上にコンクリートの絵を描くんですよ!。
ただ、この補修はとんでもなく高価です。めんたまが飛び出すくらい!
それくらい、特殊技能なんですね。
お客さんによっては、最初からこの補修を全面にかける仕上げを希望する人なんかもいますね。
あまりにも綺麗な打ち放しを見かけたら、まずこの補修をしていると思って間違いないでしょう。
本当の打ち放しというのは、ある意味自然と偶然の産物ですから、そんなに全体に綺麗に統一した物ではありませんから・・。
私などはある程度むらというか柄というかがあった方が素材感が出ていいと思うんですけどね。