4月8日に清家清先生がお亡くなりになりました。先月は3月22日丹下健三先生がお亡くなりになりました。
相次いで、戦後この国の建築界を支え続けてこられた 巨匠 がお亡くなりになりました。年齢から考えれば順番と言うことなのでしょうが、やはり寂しいものです。
私が幼いころ東京オリンピックに言った際、幼いながら感じた丹下先生のまるで夢のような屋内競技場空間や、学生の頃、初めて入った東京カテドラルのあの驚きは私に建築の道を進ませてくれる道を示してくれたものかもしれません。
清家先生の自然との共生という考え方は数十年も前から唱えられてきた物が、今ようやく世間が追いついてきた感があり、さらに家相などを理論的に科学的に解明された著書など、何度も何度も繰り返し読み込んだのを思い出されます。
ご冥福をお祈り申し上げます。
両先生とも紛れもなくこの国の建築界の 巨匠 です。いえ、日本での認知度はとても低いのかもしれませんが、 世界の巨匠 とも言えるでしょう。
今現在この年代の先生方の次に来られる巨匠と言えば、安藤先生、磯崎先生、原先生、槇先生などでしょうか?しかし、その次に来る方々というと・・・・?です。
時代もあるのでしょう。高度成長は終わりを迎え、技術はある程度行き着くところまで来てしまっています。巨大プロジェクトは数少なく、ハード的に目先の新しいことはやり尽くされてしまっている感さえありますから・・・・・・・。
それにしても昨今の有名建築家?達は目先のデザインなどのソフト面ににとらわれすぎている気がします。
建築が本来必要とする基本、機能性、安全性、耐久性などをないがしろにすることなく、いえ、むしろそれらをさらに進化させながらも人々に認められ親しまれる建物を造ることが出来た人々・・。そういうもの凄い人たちが 巨匠 と呼ばれるようになったのです。
代々木の競技場のあの屋根のラインの美しさや、東京カテドラルのあの流れる水のような天井のラインは全て力学的に理にかなっており、そのラインが人々に安心感を与え美しさを感じさせるののではないでしょうか。?
今、そういう建物はあまりありません。
かくいう私にも、とてもまねできませんけど・・・・・。だから 巨匠 なんです。