2冊ご用意したうち、1冊はこちら。
あるところに、一軒の家がありました。
そこには子どもたちがすんでいます。
その中のひとりが、もしゃもしゃちゃん。
なぜもしゃもしゃちゃんかというと、髪の毛をとかさないため、もしゃもしゃの頭だから。
歯も磨かないし、お風呂にも入らないんですよ。
あるとき、子どもたちみんなで仮装パーティをすることにしました。
もしゃもしゃちゃんが、妖精さんになりたいと言うと、みんなお笑い。
「きみが ようせい? かみのけが もしゃもしゃのくせに」
もしゃもしゃちゃんは傷つきました。
泣いていると、ハリネズミのミシュリがやってきて、慰めてくれましたが。
もしゃもしゃちゃんの気持ちはいっこうに晴れません。
その頃、子どもたちは、もしゃもしゃちゃんを探していました。
笑ったことを、反省していたのです。
もしゃもしゃちゃんに手紙を書くと、ハリネズミのミシュリに託しました。
手紙を読んで、もしゃもしゃちゃんはすっかりご機嫌。
と同時に、今日が仮装パーティの日だったことを、思い出します。
顔を洗い、歯を磨き、髪の毛をとかし、葉っぱとお花のドレスを身にまとうと、素敵な妖精さんの出来上がり。
その姿で子どもたちのところへ行きましたが、きれいな妖精さんを見て、誰一人、それがもしゃもしゃちゃんだと気づきません。
「わたしが だれだったのか えに かくわ」
そう言ってもしゃもしゃちゃんの絵を描くと、みんなはとってもびっくり。
仮装パーティは楽しく盛り上がりました。