モモちゃんは、おばけが欲しくて仕方ありません。
そこで、貯金箱から10円を出して、おばけを買いに出かけます。
最初におもちゃ屋さんへ行きましたが、おばけは売っていませんでした。
動物屋さんにも(おばけが動物とは、すごい発想!)売っていません。
当然、八百屋さんにも、さかな屋さんにも、ありません。
がっかりするモモちゃんの前に、どど~んと現れた「おばけ屋」さん。
真っ暗な店内に入って行くと、火の玉がぼんやり浮かんでいます。
火の玉は、モモちゃんを驚かそうとしますが、
「モモちゃん、そんなおばけ、いらないわ。懐中時計みたいで、つまらない」
と言われ、悔しがります。
他のおばけたちが、それはおばけの沽券に関わる、ようし、今度はわしが行く、と、次々、モモちゃんの前に現れますが、モモちゃんはちっとも怖がりません。
最後に目も鼻もない、のっぺらぼうが出てきます。
「わあ、おもしろいんだ。モモちゃん、おかお かいてあげるね」
と、ぱっちりお目めにリボンも描いて、可愛いおばけのできあがり。
モモちゃん、このおばけを10円でお買い上げ。
泣き泣き買われていったおばけですが、モモちゃんと一緒におままごとをしたりして、幸せそう。
他のおばけたちも、木の影から羨ましがって見ています。