病気のおかあさんが「奥山のやまなしが食べたいな」と言うので、三人の息子が、順番に山へ行きます。
「一番目と二番目はダメで、三番目の息子が、やまなしを取ってくるんでしょう」と娘。
きっとそうですね、昔話の定番です。
長男、次男と失敗して、沼の主にげろりっと飲み込まれてしまうのですが。
失敗したのは、道案内をしてくれるおばあさんに「水をくんできてくれ」と頼まれたのに、きいてあげなかったせいでしょうか。
それとも、三本の笹が「ゆけっちゃ かさかさ」という方に行きなさいと言われたのに、それを忘れて「ゆくなっちゃ がさがさ」という方へ行ってしまったからでしょうか。
親切に欠けたせいなのか、単なる物忘れなのか、この違いは大きい気がするのですが。
いずれにしても、長男と次男はミスを犯し、三男はおばあさんに水をくみ、指示にも従ったので、やまなしを採ることができ、そればかりか沼の主に飲み込まれた長男と次男も、お腹の中から救出することができました。
長男と次男が助かったのは、ちょっと意外でしたが、お母さんのために山まで来たのですから、孝行息子であることは間違いないですもんね。
最後ににこにこしている三兄弟とお母さんの絵が、すっごくいいです。