うつぼざる | アトリエぽーぽー

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『アトリエぽーぽー』は、創作を楽しむ絵画教室。
講師あけやまひかるは、お月謝袋やレターセットなど、クラフト製品の販売も行っています。
このブログは、生徒さんと保護者さまへ発信していますが、
絵や工作について、みなさまのご参考になれば幸いです。

狂言、好きなんです。

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「うつぼざる」は、能楽師の家に生まれた子どもが、初舞台を踏むにふさわしい演目。
野村萬斎さんもそうでしたし、野村萬斎さんのご長男、野村裕基さんもそうだったと思います。
逆に言えば、猿を演じる子どもがいないと上演できない演目でもあります。

そして、子役の猿が、いかに可愛く演じるかが、このお話の決め手。
猿引きをほろりとさせ、お殿様をほろりとさせ、観客をほろりとさせないと、成り立ちません。

ストーリーはいたってシンプル。
通りかかったお殿様が、猿の毛皮でうつぼを作りたいから、毛皮をよこせと横暴なことを言います。
猿引きが、せめて自分の手で楽に死なせてやろうと、杖を振り上げると、猿は演技の合図かと思い、船を漕ぐしぐさを始めます。
疑いを知らない無心さに、心打たれた猿引きは、どうぞ私も猿も殺して下さいと泣訴。
そのいじらしい姿にお殿様の目からも涙。
毛皮を奪うのをやめ、猿引きに贈り物をやり、猿と一緒に舞を踊ったということです。