ごきげんなライオンシリーズは、以前にもご紹介しましたよね?
あ、してない?
すみません、していませんでした。
動物園に、ごきげんなライオン家族が住んでいます。
おとうさん、おかあさん、ぼうやの3頭です。
いつもごきげんなので、飼育係にも、町の人にも、人気です。
でも最近、おとうさんライオンは、憂鬱みたいです。
仲良しのお友だちが、遠くの中学に行ってしまい、会えないからです。
ライオンが中学に?
もしごきげんなライオンシリーズをご存知の方なら、お友だちが、飼育係の息子のフランソワという人間だって、わかりますよね。
ごきげんなライオンは、けっこう勇敢なんです。
思ったら、わりとすぐ行動しちゃうんですね。
それで、友だちに会うために、探しに行こう! と決心するのに、それほど時間がかかりませんでした。
ライオンというのは、動物園にいるときはちやほやされますけど、外へ出ると危険視されて、ひどい目にあうと、前回の脱出で学んでいたので、夜中にそっと動物園を出ていきました。
おまわりさんたちが、ライオンくんを捕獲しようと、おびき寄せるための新鮮なお肉を積んで、トラックで追いかけて来ました。
そうとは知らず、ライオンくんはたまたまそのお肉を見つけて、トラックに乗り込み、眠り込みます。
おまわりさんは、まさかライオンくんが自分からトラックに乗り込んだとは知らず、ライオンくんを探しながら、一晩中走り続けます。
朝になり、朝ごはんを食べようと、おまわりさんたちがトラックを降りたとき、ライオンくんも、トラックを降りました。
運のいいことに、そこはフランソワくんがいる中学だったのです。
フランスが舞台なので、たぶんこの中学は全寮制ですね。
それでフランソワくんは、家にたびたび帰って来られず、動物園にも来られなくなってしまったんでしょう。
ライオンくんは、フランソワくんと一緒に算数の授業を受け、その後、先生は、ライオンくんを車に載せて、動物園まで送ってくれました。
特別なはからいで、フランソワくんは毎週家に帰っていいことになり、ライオンくんにもちょくちょく会えるようになったということです。