かっぱもやっぱり キュウリでしょ? | アトリエぽーぽー

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『アトリエぽーぽー』は、創作を楽しむ絵画教室。
講師あけやまひかるは、お月謝袋やレターセットなど、クラフト製品の販売も行っています。
このブログは、生徒さんと保護者さまへ発信していますが、
絵や工作について、みなさまのご参考になれば幸いです。

かっぱもやっぱりきゅうり



どうしても寝る前にキュウリが食べたいカッパ。
冷蔵庫の中のキュウリを切らしてしまい、お財布を片手に家を飛び出しました。
キュウリの自動販売機で「輪切りのキュウリ」を買うと、夜道を家へ急ぎます。

と、道路の真ん中に行き倒れ。

「わっ。でっかいキュウリだ!」

「キュウリじゃなくて、ゴーヤじゃない?」と真面目に言った娘のひとことが、妙にウケてしまいました。
たしかにゴーヤみたい。

キュウリは、どうやら高熱があるようです。
カッパはキュウリを背負うと、自分の家へ連れて行き、手厚く看病しました。
実は、カッパには、キュウリの病が完治したら、食べてやろう、という魂胆があったのです。
こんなに大きいんですもん、食べごたえたっぷりでしょう。

ところが、すっかり良くなったキュウリは、どう見てもキュウリに見えません。
身体じゅうが茶色。
キュウリだとすれば、なんとまずそうな。
もう家に帰るというキュウリを、いや、このまま逃してなるものかと、カッパが家まで送っておくと、なんとそこは、

パン屋さん!

キュウリでもゴーヤでもなく、パンだったんです。

カッパはがっくり。
しかも風邪までうつされて、もう懲り懲り。
当分、キュウリは見たくもありません。

パンが青ざめたくらいでキュウリに見えるはずがありませんよね。
シゲタサヤカさんのナンセンス絵本。