さんねん峠 | アトリエぽーぽー

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『アトリエぽーぽー』は、創作を楽しむ絵画教室。
講師あけやまひかるは、お月謝袋やレターセットなど、クラフト製品の販売も行っています。
このブログは、生徒さんと保護者さまへ発信していますが、
絵や工作について、みなさまのご参考になれば幸いです。

さんねん峠

あるところに、さんねん峠と呼ばれる峠がありました。
あまり高くない、なだらかな峠です。
季節ごとに、色とりどり花が咲き、秋には紅葉が色づき、ため息が出るほどよい眺めのところです。

しかしこの峠には、忌まわしい言い伝えがありました。
「さんねん峠で ころぶでない さんねん峠で 転んだならば 三年きりしか生きられぬ」

そんな峠で、おじいさんは転んでしまったんです。
真っ青になり、がたがた震えました。
家にすっ飛んでいくと、おばあさんにしがみつき、おいおい泣きました。
布団に潜り込み、ごはんも食べず、病気になり、病気はどんどん重くなり、村の人たちも心配しました。

そんなある日のこと、水車屋のトルトリがお見舞いに来て、
「もう一度転べば長生きできるよ」と言うではないですか。
1度転ぶと3年生きる、それなら2度転べば6年生きる、3度転べば9年生きる。

おじいさんは、さっそくさんねん峠へ行くと、わざと転び、それからは病気もけろっと治り、長生きしたということです。

一休さんのとんち話みたいなお話で、いいですね、こういうお話は。
明るい気持になれます。