ストライプ たいへん! しまもようになっちゃった | アトリエぽーぽー

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『アトリエぽーぽー』は、創作を楽しむ絵画教室。
講師あけやまひかるは、お月謝袋やレターセットなど、クラフト製品の販売も行っています。
このブログは、生徒さんと保護者さまへ発信していますが、
絵や工作について、みなさまのご参考になれば幸いです。

ストライプ

カミラ・クリームは、リマ豆が大好きです。

でも絶対食べません。
学校のみんなが、リマ豆を嫌いなんです。
好物だなんて言ったら、みんなに変人あつかいされるもの。

さて今日は新学期初日です。
どんな服を着ようかと、さっきから服をとっかえひっかえ、どれもぴったりきません。
なぜかというと、カミラは、自分がいいと思う服よりも、他の人によく思われる服を選ぼうとしているからです。

着替えを繰り返すうち、突然、カミラの身体は頭のてっぺんから足のつま先まで、カラフルなしまもようになってしまいました。
カミラもお母さんも、悲鳴を上げました。
とにかく学校をお休みすることにして、お医者さんを呼びます。

お医者さんも、前例のない症状にびっくり仰天。
が、診察する限り、しまもよう以外には、どこも悪いところがなさそうなんです。
明日は学校へ行ってもいいでしょう、とお医者さん。

いいと言われてもねえ。

登校すると、みんな大爆笑です。
さらにおかしなことに、カミラにできたしまもようは、みんなが何か言うたび、言われたとおりに、模様を変えていくのです。
「紫の水玉だ」と言えば、紫の水玉に、「チェック模様」と言えば、チェック模様に。

専門家や、博士や、科学者や、心理学者や、超能力者まで、カミラを診察しにやってきました。
しかし誰も、治すことができません。
それどころか、どんどん悪化していくではないですか。

もうこれ以上はないというくらい、カミラの身体が変わり果てたとき、ふっくらしたおばあさんがやってきました。
カミラにリマ豆を食べるように勧めます。
もう、さんざん笑われたんですもの、今更リマ豆を食べてバカにされたからって、どうってことないわ。
そう思ったカミラは、好物のリマ豆をぱく。

すると、あっという間に、元のカミラに戻ったのです。

自分の価値観で生きるのが大切だ、という教訓のあるお話ですね。
みんなちがって みんないい と、金子みすゞさんもおっしゃっています。

どうも子どもの方が保守的みたいで。
うちの娘も他の人の視線や思惑を、すごく気にします。
でもそれはそれで、悪いことじゃないと思うんです。
人の気持になる、とか、人の立場に立つとかって、そういうところからスタートすると思うし。

むしろ、問題は、自分の価値観を人に押し付けることの方ではないかしら。
自分が正しいと思っていることって、悪気がなくても、知らず知らず、相手に強要していることが、よくあるものです。

とは言え、人と人が一緒に暮らすとき、ある程度、価値観を共有しないとやっていけないこともあり、難しいですね、兼ね合いが。