図書館でどさっと本を借りてきて、子どもたちに、「どれを読みたい?」と訊いたら、満場一致で(というのは二人ですが)、「これ」と決まったのが、この本でした。
パッチワークのように、生地を縫い合わせて描いたような絵です。
登場する女の子の髪の毛や目も、アメリカン・カントリー風人形「ラガディアン&アンディ」を彷彿とさせます。
お話もとっても可愛いんですよ。
ともちゃんは、走るのも速いし、水泳も上手だし、運動神経バツグンの女の子。
でもなわとびだけは苦手なことを、誰も知りません。
来週から体育でなわとびが始まるので、「子どもはなわとび禁止」という法律ができればいいのに、と憂鬱になっています。
あいちゃんに「にじゅうとび教えて」と言われたとき、ともちゃんは、なわとびが苦手だと、本当のことを言えませんでした。
「へなちょこ」だと思われたくなかったからです。
あいちゃんは二重跳びはできないものの、交差跳びができます。
ともちゃんは、交差跳びどころか、前跳びも後ろ跳びもできないのです。
なわとびができない上に、うそもついたとあっては、面目が立ちません。
ともちゃんは、ひとりで練習しましたが、なわとびが引っかかってしまって跳べません。
「もう! このなわとびがわるいんや!」
なわとびを力いっぱい投げつけた時、背後に、あいちゃんが、呆然と立っているではないですか。
あいちゃんに見られてしまった…。
それでもともちゃんは、まだ正直になれません。
「わたし ほんまは とべるんやで! きょうは ちょうしがわるかっただけなんやで!」
「わ、わかってる」と、とぼとぼ帰っていくあいちゃんを見て、ともちゃんはますます落ち込み、ついには大泣きしてしまいました。
へなちょこだと思われるのがイヤで、うそをついたうえに、えらそうにいったわたしって、ほんまのへなちょこや。
そこへ、あいちゃんが戻ってきました。
ともちゃんが大泣きしたのが、聞こえたんです。
あいちゃんは、真ん中が切れているなわとびを、貸してくれました。
真ん中が切れているなわとびなら、引っかかりません。
あいちゃんは、これで、前跳びも後ろ跳びも、できるようになったんですって。
あいちゃんのお父さんの大発明です。
あいちゃん、寛大ですね。
私もあいちゃんのような人になりたいです。