はなちゃんの はやあるき はやあるき | アトリエぽーぽー

アトリエぽーぽー

『アトリエぽーぽー』は、創作を楽しむ絵画教室。
講師あけやまひかるは、お月謝袋やレターセットなど、クラフト製品の販売も行っています。
このブログは、生徒さんと保護者さまへ発信していますが、
絵や工作について、みなさまのご参考になれば幸いです。

はなちゃんのはやあるき

読んでいて何度も泣きそうになりました。

何度も声が詰まって、読むのを止めようかなと思ったほどです。
読み聞かせには不向きかもしれません。
でも多くの人に読んで欲しい。

東日本大震災のとき、岩手県にある「野田村保育所」では、園児も職員も、奇跡的に全員助かり、話題になりました。
「野田村保育所」では、津波を想定して、毎月毎月、地道に避難訓練をしていたのです。
そのため、本当に津波が来ても、園児たち、誰も泣かず、誰もぐずらず、立派に避難したそうです。
園児たちには、とっても長い道のりだったんです。
そこをはやあるき、はやあるきで、避難したシーンを想像すると、けなげさに涙が溢れてきます。

津波は、想定していたより、はるかに大きく、避難場所を捨て、もっと高台を目指しました。
手も足も冷たくなって、息が切れて、喉がひいひいなって、鼻水がほっぺたに凍りつきます。
どんよりとした空から雪が舞ってきます。
歩いて歩いてもうダメだというくらい歩いて、やっと中学校にたどりついたとき、校長先生がうわっと泣きながら、抱きしめて迎えてくれました。
中学校に、2歳や3歳のこどもたちが歩いて辿り着いたんですもの、校長先生はどんなに愛おしかったでしょうね。

はなちゃんの村は津波に飲み込まれ、お家にいたインコのチロちゃんは、行方不明のままです。


3年前、池袋で『あけやまひかるの個展』を開催したとき、わずかですが、収益があったので、東日本大震災復興のため、全額を募金しました。
それ以前も、それ以降も、ずっと募金を続けています。
今度の『アトリエぽーぽー展』は収益を見込んでいませんが、万が一あった場合には、寄付するつもりです。

ちなみに、うちには3羽のインコがいますが、1羽は「はなちゃん」という名前です。
真っ白なアルビノ種。

はなちゃん