気がつくと、ノリノリになってしまう、リズムカルな絵本です。
家族5人と犬1匹で、クマがりに行きます。
クマがりのわりには、みな軽装で、ピクニック感覚。
が、草をかきわけ、川やぬかるみの中をずぶずぶ歩き、深い森を抜け、吹雪に立ち向かい、かなり厳しい冒険が待っています。
おや、ほらあなです。
狭くて暗いほらあなです。
通り抜けるしかありません。
パタパタパタと入っていくと…。
待望のクマが!
わあ クマだ!!!
クマがりに来たのに、一目散に逃げ出してしまうんです。
こわくなんかあるもんか、とさんざん強がっていたのに。
せっかく越えてきた、吹雪、森、むかるみ、川、草原に、もう一度立ち向かいながら、いえ、その何倍もの速度で、家へ帰ります。
戸を閉め、ベッドに直行。
ぼくらは もう クマがりなんかに でかけない。
というオチなんですが。
目の前で戸をぴしゃっと閉められ、門前払いをくらったクマが、とぼとぼと戻っていくシーンが、ちょっと切なげなんです。
もしかしたらやさしいクマさんだったのかもしれませんよ。