せんたくかあちゃん | アトリエぽーぽー

アトリエぽーぽー

『アトリエぽーぽー』は、創作を楽しむ絵画教室。
講師あけやまひかるは、お月謝袋やレターセットなど、クラフト製品の販売も行っています。
このブログは、生徒さんと保護者さまへ発信していますが、
絵や工作について、みなさまのご参考になれば幸いです。

せんたくかあちゃん



読み聞かせの本に困ったときは、さとうわきこ。

え? この間は佐々木マキだと言いました?
はい、どちらもです。
性別、学年を問わず、どのお話も楽しめます。

洗濯が大、大、大好きなかあちゃんがいました。
まあ、あやかりたいですね。
かあちゃんは、くるくる腕まくりをすると、太い腕で、カーテンもズボンもチョッキも靴下もシーツも枕カバーも、あっという間に洗ってしまいます。
それだけでは飽きたらず、猫も犬も鶏もカエルもネズミも下駄も傘もスリッパもソーセージさえ、片端から洗ってしまうんです。

庭の物干し竿では足らず、林の木々に縄を張り、全部干し終わったときの絵は圧巻。
鍋ややかん、ラケットに時計、あらら、かあちゃんの子どもまで、裸で干してあります。

その裸を見て、おへそを狙う、かみなりさま。
全速力で雲を運転して、洗濯物に近づくと、ピカッ、バリバリッと、光る雷とともに落っこちて、洗濯縄にひっかかります。
「おへそを とりに きたんだって! ほんとに なまいきな かみなりだよ」
かあちゃんはそう言うと、薄汚れたかみなりさまの首を、ぐぎっと掴み、たらいの中に放り込み、ごしごし洗ってしまいました。

洗い終わったかみなりさまを広げて、びっくり。
しわくちゃで、目も鼻も口もなくなっていたんですって!

かみなりさまが乾くと、子どもたちはクレヨンで、顔を描いてやりました。
「これが おれさまかい?」
どうやら新しい顔が気に入ったようです。

次の日の朝、かあちゃんが洗濯をしていると、突然、黒雲がひろがり、ピカッ ガラガラ ドッシーン。
洗濯をして、顔を書き直し、いい男になりたいかみなりさまが、我も我もと、落ちてきたではないですか。

さすがのかあちゃんも、これにはたじたじ?
まさか!
「よしきた まかしときい」
太い腕をうでまくり。