両生類は人に懐かないと言われていて、私自身もそう思っている。
犬にとっては喜びであろう飼い主との触れ合いも、両生類にとってはストレスでしかない。
しかし、たまにその考えがブレそうになる時がある。
我が家で飼育しているアカハライモリの水尾くんは、私を感知すると、逃げるどころか、このように石に登ってくる。
要は餌が欲しいのだろうが、この時、頭を撫でても逃げないで目を細めるのだ。
この時、彼は何を感じているのか、非常に興味があるのだが、訊けるわけもない。
最近の餌は、カルシウム剤をダストしたハニーワームである。
ダストしても水に濡れてカルシウム剤が流れてしまうので、成るべく外に上がってきてもらってから咥えさせるようにしている。
ハニーワームが大きく一飲み出来なかったので、結局水底に戻ってしまった。
まあ、咥えた瞬間に、若干はカルシウム剤が吸収されただろう。
水槽越しに目が合った。
「流石にでかいぞ、こりゃ」とでも言いたげな顔だ。
咳き込むように一気に飲み込んだ。
目を瞑っているが、苦しかったのだろうか。
何とも間抜け面で動作を停止した。
終わったのだろうか。
この角度で見ると、魚のようにも見える。
見ていると、にゅっとハニーワームの尻が出てきた。
さっさと飲み込まんかい。
飲み込んで、どや顔を決め込んでいる。
眼が据わっているように見えるから、笑える。
私に興味を無くし、視線を逸らした。
どうやら腹が膨れたようだ。
水尾は食事後は、このように倒立することが多い。
飲み込んだ餌を重力を利用して胃の奥へ追いやっているのだろうか。
それにしても、勿論餌ありきなのだが、イモリは懐いてくれているかのように、人に良く慣れる。
とても愛嬌がある良いペットである。
今度、頭を撫でる場面を撮影出来たら、アップしてみようと思う。