PEACH FOR ALL ALL FOR PEACH
臣太朗さんとかみゆうの90分1本勝負。見届けてきました!
一大スペクタクル映画をまとめて10本観た日の夜に見る夢の様で、
本当に最高でした。
稽古場にお邪魔した際、冗談で「臣太朗さんはいつ頃作風を絞るんですか?」と振ってみたところ、苦笑いをしながらも割とまじめなトーンで「んん〜、全部俺なんですよねぇ...」と返ってきた通り、今回のハチャメチャも僕の知っている臣太朗さんの代表的なスタイルの一つで、素晴らしい仕上がりになっていました。
ただ、腹を抱えて笑いっぱなしでいればいいという様な安心感は全くなく、武器を持たない親友を一人で戦地に送り出す様なとてつもない緊迫感を客席の僕達は共有していました。最低限の音響と照明。セットは無く、衣装はグレーのスエット上下1ポーズ。百戦錬磨のかみゆうには失礼な話だと思いますが、始まってから暫くは、「噛みませんように」「飛びませんように」などと、祈る気持ちで観ていましたが、可能な限りの早口で効果音まで表現しながら、何もない殺風景な舞台に様々な光景とドラマを目まぐるしく描き殴っていく腕力のある芝居に、いつの間にか引きずり込まれていました。
「はい、ここで笑ってね」「ここでしんみりしてね」という無骨な演出は一切ないので、観客もかみゆうと一緒に謎の無人(?)島をグイグイ進んで行く様な一体感が半端なものではありませんでした。ある種アトラクション。みんなで一緒にラストに辿り着こう!といった感じで。
見事、89分24秒という超ニアピンなタイムで終演した時、僕は涙を流していました。自分でもそれが可笑しくて可笑しくて、飲みの席で臣太朗さんにあれは何の何ていう涙なのか尋ねてみたら「それが僕らの一番の狙いです。」と。
そして、「熱量ですよ。」と付け加えました。
それだ。
観劇中、「すごい汗だ」とか「よくあんなに動けるな」とか「そこまでやるか?」なんていうテキストはいっさい頭に浮かばず、ただただ神木優という一人の俳優が放つ、物凄い「熱量」を浴びていたという事です。
演者との冒険を楽しみながら受け続けていた「熱量」が、自分のキャパシティーを超えた瞬間、背中がゾクゾクして、目から涙がこぼれてしまった様です。
菅野臣太朗という怪物に勝負を挑んだ俳優。
神木優という可愛い後輩に容赦無く重いパンチを何百発も打ち込んだ脚本演出家。
痛快で清々しい最高な「引き分け」。
素晴らしい戦いを観させて頂きました。
かみゆう、臣太朗さん、
本当にお疲れ様でした!
二人を誇りに思います!!!