因縁成就! | 総合マネジメント事務所エスパスミューズ

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“悟り”というと、何か選ばれた人の特別な状態という気が若い頃はしていました。

 

もちろん、悟りを開いた人たちは、わたしたち凡夫とは違う世界を見ているのでしょうが、しかし悟りそのものは、ぱっと開かれるその瞬間までの絶え間ない精進にかかっているようです。

 

それを教えてくれたのは、白隠禅師でした。

 

 

白隠禅師(1685年12月25日~1768年12月11日)は、幼い頃から聡明さ、腕白さ、記憶力に飛びぬけていたことが言い伝えられています。

 

11歳のときに村のお寺で説教を聞き、はじめて宇宙の流れや生命・運命のこと、死後の地獄極楽の世界について知りました。

日頃の行いから、自分はきっと地獄へ落ちると思い込み、白隠禅師は悲しみ恐れました。

そんな気持ちでいたところ、お母さんと湯船につかっていると、下女が薪をくべたおかげで出てきた熱気や煙に地獄に落ちたのだと錯覚し、隣近所までが驚くほどの大声で泣き叫んだということです。

とにかく幼い頃からエネルギーに満ち溢れていたのでしょうね・・・

 

白隠禅師は信心深い母親に相談し、北野の天神様を信仰しました。

そして、日蓮宗の日親上人の「鍋冠り日親」の芝居を見て、12歳で出家を決意したと言われています。

 

父母は反対したのですが、その後の白隠禅師の勉強とその大志に説得させられ、白隠禅師は15歳で仏の道に入りました。

 

それから絶え間ない努力と修行を重ね、24歳ではっと開けたそうです。

が、誰も相手にしてくれません。

自分のすごさがわからないのだと超然としていたところ、正受老人に「穴ぐら禅法」、「利己坊主!」とののしり叱り飛ばされてしまいました。この正受老人のもとで激しくしごかれ、また新たな悟りの境地を開くのです。

 

その後も厳しい修行を続けていた白隠禅師でしたが、26歳頃に極度の神経衰弱と肺結核に罹りました。医者からも見捨てられ、ただ死を待つのみ、という程病状は悪かったのですが、白幽仙人から養生の秘訣を教えられ、見事に病を克服しました。

 

その一つの方法に、軟酥の法というものがあります。誰もが実践できる一種の瞑想法です。

座って体を楽にして、呼吸を整え、頭上に仙人が作った美しい色の卵型の秘薬を思い浮かべます。それが少しずつ溶けていくのをイメージするのです。少しずつ少しずつ体をつたわり流れ落ちて行く秘薬と共に、自分の病やストレスも、体や心から落ちて行くと想像します。そうして秘薬がへそのあたりまで溜まるのを深い呼吸を続けながらイメージする、これを毎日続ける、というものです。

 

なかなか気持ちがいいですから、みなさんもやってみてください。わたしはこの方法がとても気に入っています。そして、白隠禅師がこの方法を記してから多くの病の人を癒してきたという点でも、素晴らしい日本の知恵だと思っていますから、日本文化紹介サイトVoici le Japonでもフランス語圏向けに軟酥の法として紹介しました。⇒"Petit guide pour pratiquer la méditation d'Hakuin"

フランスでは今、親と子どもで一緒にする瞑想が流行っているのですよ。

 

 

難病も乗り越え、知識や体験を智慧=般若へと変化させ、すべてを統合していった白隠禅師は、35歳のころに安心立命の境地に立ったと言われいます。

 

そして、ついに、42歳にして大自在境に達しました。

 

地獄の苦しみに悩んでから約30年もの期間を白隠禅師が死にもの狂いで修業したのだ、と思うと、自分はそれほど頑張ってないことに気づき、もう一回頑張るかとわたしは思えます。

 

 

その後84歳で亡くなるまで、白隠禅師は民衆と共に生き、禅の大衆化を進めました。

 

白隠禅師の面白いエピソードや、すばらしい禅画も現代に伝えられていますよ。

白隠禅師を初めて知るという人には、こちらの本がおすすめです。

 

 

 

 

タイトルの「因縁成就!」は、寺に一つしかなかった大すり鉢を割ってしまい、怒られると思って報告をしにいった小僧に向かって白隠禅師が言ったことばです。白隠禅師はその時、岡山の城主・池田継政候と話していたのでした。

その後、池田候が送った備前焼の大すり鉢の一つを、白隠禅師は台風で折れた松が腐らないようにとかぶせてあげたということです。

 

なんと、その備前焼のすり鉢松が、今でも白隠禅師がいた松陰寺の庭にあります。

 

 

時の流れを越えて、白隠禅師の心に逢えるようで、嬉しいです。

 

 

 

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