上映禁止作品から伝説的名作になった『フリークス』 | 黒柴恭ちゃんと映画とアトリエ製作の日々

黒柴恭ちゃんと映画とアトリエ製作の日々

2017年11月東京から徳島に電撃移住♫
元気過ぎる黒柴♪右恭(うきょう)の甘えん坊&暴れん坊ぶりを
主に綴っています。
時々、愛する映画のレビューと
自宅アトリエでのバッグ製作にも触れています。
Webショップ《iichi もんてきいだ》にて販売中〜。

“ねこぱんち”さんの《おうち映画》で知り

調べてみたら あまりにも高評価な

伝説的名作ということで観てみた

『フリークス (日本公開1932)

この映画、イギリスで公開から30年間

上映となっていたらしい。

それは、今では考えられないことに

出演者が実際の見世物小屋のスターたちで

奇形者・異型者だったからだ。

小人症、シャム双生児の姉妹、小頭症、

身体障害者たちが大挙して登場するのは

やはり衝撃としか言いようがない。

ただ、この映画は見世物的なホラーではなく

ちゃんとしたサスペンスになっているので

当時の彼らの立ち位置を含めた上で描かれた

意外にも純粋なエンタメ作品だと思った。

公開当時、“終わった”と叩かれた

ブラウニング監督の偉業と言えるかもしれない。

 

是非、観ていただきたいので

あらすじはさらっと!

物語は、見世物小屋の主人が

客を案内するシーンから始まる。

犬のケージのような囲いの中にいるフリークスを

目にした客から悲鳴が上がる。

「かつては彼女も宙を舞う絶世の美女だったのです」

と主人は語る。

 

舞台はフランスの旅回りのサーカス団

小人のハンスは

同じ小人のフリーダと婚約していたが

美しい軽業師クレオパトラに誘惑され貢ぐようになる。

心を痛めたフリーダはハンスの幸せを願って

クレオパトラにハンスを笑いものにしないでくれと

頼みに行くが、ついうっかり

ハンスが遺産を相続したことを話してしまう。

それを聞いたクレオパトラはにやり

有頂天になっているハンスとの結婚を決め

怪力男ヘラクレスと共謀して

ハンスを毒殺することに。

ホンモノのフリークスは

クレオパトラとヘラクレスの方だった(゚Д゚;)

結婚の祝宴が開かれる中

(大胆にも)毒入りの酒をハンスに飲ませる。

盛り上がるフリークスたちは

クレオパトラも仲間と認めようと歌い始め

大きな器に酒を注ぎ、回し飲み

クレオパトラに差し出した。

クレオパトラは嫌悪感をあからさまにし

「汚らわしい!」とみんなを侮辱する。

毒入りの酒を飲まされていたハンスが倒れ、

クレオパトラたちの悪だくみに気づいた

フリークスたちはふたりの行動を

異様なまでの迫力で監視するようになる。

クレオパトラの裏切りに気づいたハンスは

弱っていく演技をし続け

「今夜だ!」と仲間たちに告げる。

雷雨の夜、馬車で移動するサーカス団。

クレオパトラたちへの報復が始まる。

武器を手に素早く動き回るフリークスたちは

怪力男を追い詰め、逃げ惑うクレオパトラの悲鳴は

雷鳴にかき消される。

冒頭で見世物小屋の主人が話した

「一人への侮辱は全員への侮辱」という

“フリークスの掟”を見せつけるシーンだった。

私が観たリマスター版は

かなりカットされていたみたいでここまで。

調べてみると、詳しくは

囲いの中にいたフリークス(クレオパトラ)は

“足と舌を失い、アヒルのように鳴いていた”らしい。

さらに、その後ハンスとフリーダがどうなったのかも

ちゃんと描かれているようだ。

 

映画の中では

髭女に赤ちゃんが生まれるという話があり

この映画が元にもなったのかなと思うのが

『グレイテスト・ショーマン』 (2017)

さすがにフリークスたちはすべて

特殊メイクの俳優たちが演じていたけど。

こちらもおススメなので観ていない方はゼヒ!

 

さて、この映画が作られたのは1932以前

100年近く前のことで

撮った監督の意図するものや観客の感情を

今の私たちに はかり知ることはできない。

日本での障害者に対する世間の目というか

対応を初めて目にしたのが

『典子は、今』 (1981)松山善三監督作

完全なドキュメンタリーではなく俳優との共演で

本人が演じた典子さんの今。

映画館に観に行った当時の気持ちを

思い出すこともできないけど

足で器用にジャガイモの皮をむくシーンを

鮮明に覚えている。

難関だった市役所への就職!

とにかく普通に暮らしたいと、その後取材は受けず

結婚し、ふたりの子どもにも恵まれたらしい。

 

洋画でも衝撃だったのが

『ケニー』 (1987)

当時かなり話題になった少年!

ストーリーはほとんど覚えてないけど

映画館はにぎわってたと思う。

生まれてすぐ、脊椎の未発達のために

足を切断したケニー。

こちらは本人が俳優として出演したドラマ。

とにかく明るいケニー少年が印象的だった。

家族愛を描いていて

周囲も温かい話だったと思う。

実際にはどこに行っても冷ややかな態度で

嫌な言葉をかけられていたらしいけど

明るく冗談で受け流していたとか。

ケニーくんも結婚して子どもがいたらしい。

乙武くん的な問題も起こしていたとか。