子は父の背中を見て育つ『アラバマ物語』 | 黒柴恭ちゃんと映画とアトリエ製作の日々

黒柴恭ちゃんと映画とアトリエ製作の日々

2017年11月東京から徳島に電撃移住♫
元気過ぎる黒柴♪右恭(うきょう)の甘えん坊&暴れん坊ぶりを
主に綴っています。
時々、愛する映画のレビューと
自宅アトリエでのバッグ製作にも触れています。
Webショップ《iichi もんてきいだ》にて販売中〜。

グレゴリー・ペック主演

『アラバマ物語』 (1962)

(原題 TO KILL A MOCKINGBIRD)

原作小説は出版から半世紀以上経った今でも

世界中で読まれ

アメリカでは毎年100万部近く売り上げている。

読者アンケートでは

“最も影響けた本”として聖書に次いで

位にランクインするまでになったらしい。

舞台は1932年

アメリカ アラバマ州のメイコムという

黒人差別がまだ残る田舎町で、

ふたりの子供と暮らすシングルファーザーの

弁護士アティカスは

暴行容疑で逮捕された黒人青年を弁護することになる。

被害女性の父親や白人住民たちからの

嫌がらせを受けながらも

法廷で事実をいていくという物語。

古い映画ながら事件の予想外の真相は衝撃的で

グレゴリー・ペックの熱弁で法廷は静まり返る。

 

この映画の前に観た

1980年代のアラバマが舞台の実話

『黒い司法 ゼロからの奇跡(2019)』で

『アラバマ物語』について触れていたので

これは是非とも観ておかねばとあわてて鑑賞!

現在でも、さえ何とも思わないような激しい人種差別が

公然と行われていて驚かされるけど

公式に奴隷制度廃止されたのは

何と1980年!

西アフリカのモーリタリアでは

いまだに人口の20%が奴隷だという。

イギリスやドイツなど先進国にもまだまだ

奴隷が存在しているらしい。

 

さて、この『アラバマ物語』は法廷劇にとどまらず

正義を貫き問題に立ち向かう父親と

田舎町でつ子どもたちの物語であり

思わぬヒーローも登場する冒険譚でもある。

大人になった娘スカウトが

子どもの頃を‘モノローグ’で回想する。

私も兄妹で育ったので

子どもたちの生活ぶりにあるある!と楽しめた(゚∀゚)

 

スタイリッシュと言われるオープニング!

弁護士アティカスの家に農夫のカニンガムが

相続手続きの手数料として“ヒッコリーの実”を持ってきた。

「うちも貧乏なの?」と心配するスカウト

「カニンガムさんほどではないがね」とアティカス

気になって調べたら “ヒッコリーの実” とは

ピーカンナッツのことだった。

 

木の上にいるジェムに声をかける父とスカウト。

原作者ハーパー・リー自身がスカウトのモデル。

アティカス(子どもたちは父親を名前で呼んでいる)が

フットボールの試合に出ないことを

“弱虫”だと怒るジェム

私も両親を名前でんでたわー(゚∀゚)

スカウトのこまっしゃくれた顔を見てたら

『ペーパームーン』テイタム・オニールを思い出した。

調べてみたら

ふたりとも“アカデミー賞助演女優賞”最年少記録で受賞!!!

ミシシッピから夏の間だけ親戚の家に来ているディル。

いい味出してるニヤニヤ

えっ、この少年のモデルは

トルーマン・カポーティって…ビックリ(゚Д゚;)

実際、隣に住んでたらしい。

近所には子どもの好奇心をあおる家が存在した。

大人までもがをするラドリー家の息子ブー

父親の足を刺し、今はベッドに鎖で繋がれているとか。

その姿を誰も見たことがないということが

さらに人々の想像を掻き立てる。

子どもたちはかつてブーが収監されていたという

裁判所を覗きに行く。

そこにはアティカスがいて

被疑者である黒人青年トム・ロビンソンにしみを抱く

被害者の父ユーウェルがクレームをつけていた。

 

子どもたちの遊び…タイヤの中に入って~

Go! うわ~楽しすぎる!!!

ブーの家まで転がってドアにドスン!

あわてて逃げる3人。

*ネタバレエピソードから結末まで書いてます*

ある日ジェムはふたりに勇敢なところを見せようと

ブーの家の窓を覗きに行くが、人の気配に気づき

大慌てて逃げ出すことに!

ところがジェムのズボンが鉄条網に引っかかってしまい

必死で脱ぎ捨てて家に戻る。

アティカスに叱られると思ったジェムが取りに戻ると

きちんとたたんで置いてあった。謎~

 

アティカスは人の扱いも非常に紳士的

口うるさい老婦人に対して 庭の花をほめちぎる。

さすがにホメられると文句も言えない老婦人はもごもご

勉強になるな~真顔

 

小学校に上がったスカウトは

初めての制服を着るのがイヤで 恥ずかしくてモジモジ

わかる~私もホントにだった"しょんぼり汗

近所の人まで見に来てニコニコされたりしたらむかっむかっ

学校に行くと、スカウトは早速喧嘩をする。

相手は“ヒッコリーの実”を持って来た

貧困農家カニンガムの息子ウォルターだった。

止めに入ったジェムはウォルターを食事に誘う。

 

父親と猟に行ったというウォルターの話から

アティカスはについて語る。

アオカケス(害のある鳥)ならいくら撃ってもいいが、

美しい歌声を聴かせて癒してくれる

モッキンバード(マネシツグミ)を殺すことはだと。

シロップを料理にドバドバかけるウォルター。

その様子を見てあからさまに不快感を示したスカウトは

メイドのキャルにキッチンまで連行され叱られる。

この家では黒人のメイドがしつけ係なのだ!

ある日、家のそばに一匹の狂犬が現れる滝汗

メイドから知らせを受けたアティカスが保安官と駆けつける。

保安官はアティカスに撃ってくれとライフル銃を渡し

アティカスはしかたなく撃つ。

アティカスが見事に一発で仕留めたのを目の当たりにして

子どもたちはビックリ!父の秘めた能力に敬意を示す。

アティカスは銃の名手だったのだ。

まさしく“能ある鷹は爪を隠す”

 

黒人を擁護するアティカスが許せないユーウェルは

執拗に嫌がらせをしてくる。

裁判の前日

被疑者トム・ロビンソンは刑務所から移送されてきた。

アティカスはトムの滞在する家の前で読書して見張る。

案の定、詰めかけた白人住民たちから

父親を守ろうと子どもたちが乱入する。

スカウトの言葉で退散する大人たち。

 

ジェムは、家の近くの木の穴に入っていた

木彫りの人形を見つける。

またまた

 

裁判の日がやってきた。

白人は1階に、黒人と子どもたちは2階で見守る。

アティカスは、冷静矛盾点をつき

被害者メイエラが負ったケガは父親ユーウェルに

よるものではないかと追及する。

トム・ロビンソンは

メイエラの家の前を通る度に用事を頼まれ

事件当日はメイエラが抱きつき何度もキスしてきた、

窓からその様子を見た父親が「娘を殺す」と言ったので

無我夢中で逃げたと主張。

誰の目にもトムの無罪が明らかとなったが

2時間後、陪審員の出した結論は『有罪!』ポーン

白人たちが去った後

静まり返った法廷を去るアティカスを

2階席の黒人たちは起立して見送るのだった。

絶望したトムは、二審に希望を持てなかったのか

移送中に逃走し、射殺されてしまう。

悲劇

 

時が経ち、ハロウィーンの日が訪れ

「ハム」の着ぐるみを着たスカウトとジェムが

家に向かっていると…何者かの気配が

ジェムがスカウトの手を引いて走り出すが

何者かは容赦なく襲って来た。

妹を守ろうとしたジェムが叩きのめされ

スカウトに魔の手が迫った時!

誰かが乱入してきて襲撃者を撃退!

着ぐるみから抜け出したスカウトが見たのは

ジェムを抱きかかえて去る人物だった。

スカウトが家に帰るとジェムはベッドで眠っていた。

保安官とアティカスが「誰が助けてくれたんだろう」と

話していると

ドアの後ろに隠れている青年に気づいたスカウト。

(ホッ、ホラー!?)

ジェムを助けた恩人がブーであることを知ったスカウト。

噂とは違うとわかる。

ジェムの頭をそっとなでるブー

この表情…30年後ならジョニー・デップの役どころ!

これがデビューのロバート・デュバル!!!

セリフなしでこの存在感~

 

襲撃現場にはユーウェルの死体があり

アティカスはジェムが正当防衛でユーウェルを殺したと

思い込み 悩んでいたが

保安官はスカウトと共にブランコに座るブーを見つめ

彼の周辺を騒がせたくないと思い

ユーウェルは事故死とすることを決める。