「公共空間の使い方」をテーマに、公園や人が集まる建物といった「みんなの場所」について考えるトークイベント「なごやマチケン・名古屋の建築とまちなみを考える会2」を名古屋西支部と名古屋北支部が共催で開催しました。
会場は先回の「考える会」と同じく、株式会社日建設計模型サロンです。ゲストは、名古屋支部ビル研究会 謡口志保さん、カクオウザンラーダー 丹羽洋己さん、ソーシャルタワープロジェクト 青木奈美さんのお三方をお招きしました。
第一部は、名古屋北支部主催のレクチャー。
謡口さんからは、名古屋の渋いビルを愛でる会「名古屋渋ビル研究会」の活動やニューヨークで暮らした中での体験、長い時間を経て愛着が生まれ建物から場所へと変わっていく事についてお話して頂きました。
丹羽さんからは、経営する飲食店について、森道市場などマーケットへの出店、国内や海外の各地で活動を通して面白いヒトと出会う事ができた事、個人店舗と一緒に意思を共有して新しい事や物を作っていく事についてお話して頂きました。
青木さんからは、名古屋市まちなみデザイン賞を受賞したソーシャルタワープロジェクトの取組み、この人に会いたいという気持ちは人々が行動に移す原動力になる事についてお話して頂きました。
第二部は、名古屋西支部主催のトークセッションです。
第一部のレクチャーを受けて公共空間の使い方について参加者と共に考えました。
はじめに、日建設計冨木さんから都市模型やスライドを交えて久屋大通公園周辺のマチについてお話をして頂きました。(日建設計さんはランドスケープの提案に携わっておられたとの事)
作られた賑わいの移植が地域に馴染むか否か、自由度やライブ感のある面白い事やキーとなるお店に人が集まる、公共空間(公園)は生活の延長線上で思い思いに過ごす事ができる場所であって欲しい等といった話題が展開されました。最後に北支部 浅井支部長から「公共空間を作る側も使う側も我々が育てていかなければならない」という総評を頂きました。
公共空間(みんなの場所)において、作為的な賑わいの創出ではない、面白いヒトやコトへの共感がつくりだす自然発生的な賑わいが、どのようにして生み出されたか。マチや建物が、どのようにして人々に愛着を持ってもらえたか。そして長い年月を経て、愛着や人の繋がりが、マチや建物を育てていき、公共空間がみんなの場所になっていく。そういった実例を知って頂けるトークイベントになったのではないでしょうか。