真夜中だけど(書いているうちに早朝になったけど)、このへんでちょっとまとめとこうかなーと思って、ここ数か月私が考えてた「ご当地キャラさん愛しいなー」って思う理由を書いてみます。

現段階での、研究成果とも呼べない取り留めのないメモ書きのようなものです。

まずは、末次がどうして「ご当地」に注目するようになったか、その経緯もまとめていきます。

 

 

 

実は大学時代の私は「社会教育学」というものを専攻していて、指導教官の先生が学生をあちこちに連れてってくださるタイプの方だったので、本当にたくさんの経験をさせていただきました。

社会教育学というのは、すごく簡単に言うと、学校外での教育活動、のことです。

たとえば公民館で地域の方の為に講座が開かれていたり、地域の大切なものを後世のために保存する博物館の運営の仕方を考えたり、地域に必要な知識を反映させて図書館にどういう資料を入れようかな、と考えてみたり、そういうことです。

土地があればその数だけ特色を備えた、非常に幅の広い学問でした。

…残念なことに末次はそんなに優秀な学生ではなかったので、難しいことは解りませんでしたし、今ちゃんと人に説明することもできません。先生ごめんなさい。

 

でも、いろんなことを見せて下さった方のお陰で、大事なことはしっかり心に刻んで卒業できた、とは胸を張って言えます。

その大切なことというのは、地域という物が、どんな場所であってもそれぞれの魅力を持っていて、住民の方が努力の歴史を積み重ねて暮らしてこられた事実が存在するということです。

 

そういうとても愛しい事実を学んでいた末次は最盛期のmixiと、流行り始めたTwitterに張り付くタイプのインドア学生でした。

時期にして、熊本のくまモンが全国的に認知され始めた、2010年代の始まりの頃です。

神戸の「いまいち萌えない娘」さんと「北乃カムイ」さんの存在をTwitterを通じて知りました。

それまでにも二次元の美少女キャラクターをマスコットとしたさまざまな活動は存在していたものの、末次はここで明確に「ご当地萌えキャラクター」さんと出会いました。

毎日、地域内外のファンの方や他のキャラクターさんと丁寧にコミュニケーションを重ね、その物語を創り上げていくその姿を、この時点ではまだふわっとした気持ちで楽しみつつ、大学を卒業後に役者を目指して末次は上京しました。

故郷の福岡を飛び出して。この時点では、「自らの故郷」についての思い入れはそれほどありませんでした。

 

なお、学生時代のフィールドワークで訪れた鹿児島県種子島で「タネガシマン」さんという、現地の有志の方が制作されているローカルヒーローを知りました。でも、この時点での認識は「ゆるキャラ」と同等でした。

ちなみに「琉神マブヤー」さんの存在は知っていましたが「ローカルヒーロー」という認識は抜けておりました(あっ!10周年おめでとうございます!)。確かこの時には「「ローカルヒーロー」という言葉も認識していませんでした。

 

さて、上京した辺りから、(当時はまだまさか声優としてこんなことになるとは思ってませんでしたが)大先輩のいまもえ姐さんとカムイちゃんを通してたくさんのキャラクターさんを知るようになりました。ちょっとずつフォローもして、フォローバックが来ては喜ぶ程度の「にわかファン」でした。

あと、役者としてご当地ヒーローさんのステージのお手伝いもさせていただき(お子さんたちの夢の為、末次が一体どういう形でお手伝いをしたかは内緒です)、ご当地ヒーローさんへの興味も高まりました。

福岡や九州各県にもかっこいいヒーローがいたことをこの辺で知り、地元民として見に行けなかったことを心底後悔しました。「吹王火剣フクオカリバー」さんかっこよすぎ。

(日本ローカルヒーロー祭には行きたいですがなぜか毎回公演稽古と被って、心が死にそうなほど悔しい想いをしています。今年こそは!)

 

このへんで、なんかだんだん、「地域」っていうものに対して、根幹は学生時代と同じものの、もっと強い尊敬とこだわりを抱くようになりました。

東京に来て、いろんな土地を故郷にした人に出会い、自分の故郷の事も語り、「私の地域を知ってほしい」という願いを持っている方々が沢山いることを知りました。

 

そして、そんな願いの中で「ご当地萌えキャラ」・「ローカルヒーロー」が生まれることを知りました。

 

…ここからが、本題です。

なんで「ご当地萌えキャラ」さんが愛しいのか。

 

ところで、たとえばなんですけどお菓子とかのお土産品って「わがまちの○○がすっごく美味しいから、ぜひ食べて!」「うちの地域の名物○○をモチーフにしたお菓子だよ、楽しく食べてね!」ですよね。それは、そういう生産品を作れる方が、そういう食べ物が好きな方に向けてできるアピールです。

そういうものが、知らないだけで日本全国にたっくさんあります。誇りに思う自らの地域の生産品を、誇りをもって作っていらっしゃる方がいます。

私の愛する場所を知ってください、どうぞ持ち帰ってください。それを生きる術にして生きている方々です。

 

 

 

それでですね、やっと本題です。なんで「ご当地キャラは愛しい」のか、考えてみます。

 

「私のまちにはこんなに素敵なものがあります。その魅力をモチーフとしてちりばめたキャラクターが生まれました。この子はこんなふうな性格で、皆さんと仲良くなります。私のまちの催しにも来ますし、あなたのまちにも遊びにいきます。どうかお友達になってください」

さっきのおみやげ物の例をたどるとすれば、キャラクターさんたちの作り手さんには「絵を描き」「物語を書き」「言葉を発信し」プラスで「声優が出来る」「コスプレが出来る」「歌が歌える」という特技がありました。

農作物を生産したり、食品に加工する技術と、実は同じなんではないかと思います。

お菓子を美味しいと思ってくれる方へお菓子を届けるのと、実は同じ。

 

日本には、二次元という文化があります。

これ大学時代の講義で聞いたうろ覚えの知識なんですけど、日本くらいなんですってね、キャラクターもの売り場にネズミのお国のものが大きく並ばないのって。他の国ではまずネズミさんちが選択肢に上がるんですって。

その「スタンダード」から外れている日本のアニメーション=キャラクターを生む文化。二次元という文化。

それを愛する大変強力な層が日本には存在します。

「そんな方々目掛けて、地域への愛を盛り込んだキャラクターを発信したら、「愛する土地」を見てくれるんじゃないか?

これまで繋がりの無かった方々と友達になって、自分たちが愛しているものを知ってほしい!」

そんな想いを感じます。

自分に出来ることで、自分の土地を発信していく。そして、きっと受け取ってくれるだろう人たちがいる。

そんな強い想いと願いが、「ご当地キャラクター」が生まれてくる理由であり、そして彼らが背負うミッションなのでしょう。

 

たとえば、私がお会いしてみたいと思っているキャラさんのひとりに「江ノ島さんぽ」ちゃんという方がいるのですが、

スカートや髪の毛のお色、ウエストのお花、髪飾りの何もかもに江ノ島の魅力が詰め込まれているだけでなく、

「お散歩しやすいように底がぺたんこのお靴」を履いているんですよね。

江ノ島には沢山の素敵な場所があるので、ぜひ散策してほしい!…というメッセージを全身に引き受けているキャラクターさんなのです。

愛らしいデザインと、コスプレイヤーと声優を兼任される藤沢愛さんが魅力的なところで惹きつけられて、

江ノ島がどこにあるか知らなかった地方出身者の私は

「江ノ島…名前は知ってたけど藤沢市っていうところなんだ…水族館の他にもお花も乗り物も食べ物も良いところなんだな…行きたいな…」って思うようになりました。

 

地域への愛情をたくさん注がれて生まれてきたキャラクターさんを通じて、これまで関わりのなかった地域に興味を持ちました。

そして、キャラクターさんの成り立ちから、作り手の方の地域へのまなざしと愛を知りました。

 

この、キャラクターを通じて感じられる「愛」こそ、私が「ご当地キャラクターを愛しい」と思う一番の理由です。

この土地の自然が、生み出される特産品が、その特産品を生み出す多くの職人さんたちが、この土地に抱く誇りが…すべてが愛しくて、たくさんの人に知ってほしいから、そのメッセージをキャラクターに託す。

沢山の愛を伝えるために生まれたキャラクターさんたちの存在が、私は愛しく、とても誇らかなものに思えるのです。

 

*****

 

以上が、私なりに考えた「なぜ私がご当地キャラを好きになるか」「なぜ「ご当地キャラ」は人を惹きつけてやまないか」です。

きっともうとっくに、私よりももっともっと詳しい方が辿り着いた答えのひとつだと思いますし今更語る事でもないです。

あと、「好きでいることに別に理由なんていらない。「キャラクター」が面白いから見てるだけ」って気持ちでもいいんです。

ていうか、それが正解なんです。小難しいこと考えずにキャラクターを好きになった結果、知らず知らずのうちに地域のことを知ってる。

それがたぶん正解。

へんてこりんな風貌とトークで笑わせてくれるふなっしー=船橋市、っていうのを今や全国の方が知っているのと同じです。

 

でも、私がこれから行動する上で自分の考えをまとめておきたかったから書いてみました。

あと、先を行く先輩方の目に触れて、こんなこと考えてる、今から動き出す奴がいるってことも知ってもらえたら嬉しいなと思って。

あ、でも、ちょっと専門外だったので「ご当地キャラ」といいつつゆるキャラさんについてほとんど触れられませんでした。ごめんなさい。

福岡の大学の学園祭に来てくれたくまモン隊の方々のこと、今も覚えてます。

くまモンがハグをしてくれたこと、忘れません。ふかふかであったかかったです。お名刺もありがとう。

 

 

 

そんな「地域愛」がある私には、声もあれば文を紡ぐ能力もある。あと殺陣もできる。

あと動画も作れるし、録音もできる。

まあ全部、超一流の方々には劣るけど、超一流のものに劣るものを作ろうという気はさらさらない。

発信された愛を受け取って、すごいね、おいしいね、おもしろいね、素敵だね!って褒める愛情表現だけで我慢できなくなってたところから、踏み出せるんです。

今度は私が応援する番。会いに行けるたくさんの人からお話を聞いて、その方たちが作れるものを、私の伝える技術を使って発信していくことができる。

得意なことを持ち寄って、地域の「すごい!」を発信するのって、すごく大事なことだし、大変なことだけど愛に溢れた楽しい活動だと思います。

 

なんだか幸せでとってもありがたいことだと思います。

大学時代の、優秀じゃないゆえにちゃんと理解できなかったものの、それとなくは学んでたことが、6年くらい経ってまさかこんなところへつながっていくとは。

生きていると、無駄になるものはなんにもないですね。

 

いろんなキャラクターさんのお名前を出させていただきましたが、まだまだ私が好きなキャラクターさんが沢山いますし、これからまだまだたくさん出会えるだろうなとも思ってます。

それがいま、とっても楽しみです。