よいと思ったことを即実行する | 境目研究家@ありさん。

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世の中色々な境目があります。成功する人しない人、うどんの関東ダシと関西ダシ、氣になる境目研究します。

【今日の良い言葉 596 (230)】

おはようございます。

二週間ぶりに倉敷からの配信です。

今日から夏期休暇です。
配信遅くなってしまい申し訳ございません。

出発前に間に合わなかった
雑誌『致知』9月号を朝から拝読しており
どの言葉をシェアしようかなと考えておりました。

珠玉の記事のなかで一番
心に響いたお話をシェア致します。

S・Yワークス代表 佐藤芳直氏のお話です。

「どんどんやれ。
お前が失敗したぐらいで
潰(つぶ)れないだけの会社にはしたから」

この言葉を言えるような自分になりたいです。

絶対安心のなかで仕事したいですから。

稲盛和夫氏の「土俵の真ん中で相撲を取る」
ことにも通じるお話ですね。

それでは、皆様の今日一日が愛と光と忍耐で
喜びに満ちた日となりますよう
お祈り申し上げます。

コメント楽しみにしております。
 

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よいと思ったことを即実行する

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これまでに三千社を超える企業を
見てきたわけですが、
その中で長く続いている企業の社員には
三つの共通点があるということに
思い至りました。

一、善悪基準で判断ができる
二、自発的に行動する
三、励まし合う

これら三つを備えた集団の典型が
吉田松陰の主宰した
私塾「松下村塾」だと思います。

ご存じのとおり、松蔭をはじめ、
四天王と言われた高杉晋作(しんさく)、
久坂玄瑞(げんずい)、吉田稔麿(としまろ)、
入江九一(くいち)は皆、志半ばで
無念の死を遂(と)げています。

ところが、松下村塾は営々と繋がっていき、
明治政府をつくる原動力となったのです。

松蔭は門下生に対して、
「おまえはこうあるべきだ」
ということは一切言わず、
「おまえはこいつ違って
こういう点が優れている
そこを生かせばきっと道が拓(ひら)ける」
というように、
一人ひとりの長所を見つけ、
発揮させるプロでした。

それゆえに自発性が生まれ、
よりよい社会をつくるという
一つの目的に向かって、
互いに切磋琢磨(せっさたくま)し合う
「同志的連合」を築くことできたのでしょう。

企業においても、社員一人ひとりを
そのような集団に変えていくことが
組織の力を発揮していく上で
とても重要になってきます。

それにはまず、経営者が
「私の考える人財像」
というのを持たなければなりません。

余談になりますが、
私は必ず「人材」ではなく
「人財」と書きます。

人間は決して材料ではありませんし、
企業にとって一番の財産は
社員だからです。

「あなたにとっての人財とは
どんな方ですか?」
とこれまで多くの経営者に
質問してきましたが、
明確な答えが返ってくるケースは
意外にも少数でした。

私自身の人財像とは
「よいと思ったことを即実行にする人」
です。

人間は誰しも良知(りょうち)を備えて
生まれてきます。

しかしそれは、
瞬間的に行動に移さなければ発揮されません。

例えば、社内にゴミが落ちていたとします。
ゴミが落ちていると氣づいたら
誰でも拾おうと思うでしょう。

ところが、
「あいつのほう近いんじゃないか」
「違う部署のゴミだから、俺は拾わなくていい」
と、ほんの一瞬、頭を過(よぎ)る。

すると、
判断基準が善悪ではなく損得になり、
次からそのゴミが見えなくなってしまうのです。

人間は見たいもの、聞きたいものしか
入ってこない生き物ですから。

でも、
そこでひとたびゴミを拾っていれば、
ずっとゴミが氣になる
人間になっていくわけです。

なんといっても、
百年企業を創り上げるのは
そこにいる社員一人ひとりです。

ゆえに彼らの良知を発揮させる場を
どれだけ整備していくか。

それが経営者には求められるのです。

入社間もない頃、
私は船井先生にこう言われました。

「どんどんやれ。
お前が失敗したぐらいで
潰(つぶ)れないだけの会社にはしたから」

その時、私は
「なんと勇氣づけられる言葉だろう」
とつくづく思ったものです。

社員が目いっぱい仕事に打ち込める
絶対安心の環境をまずつくる。

そしてそれは、
トップがひたすら言い続けなければ
生まれません。
 
 
佐藤芳直 (S・Yワークス代表)
 
 
(月刊『致知』2013年09月号 特集「心の持ち方」より)