根拠のない自信をつくっていく | 境目研究家@ありさん。

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世の中色々な境目があります。成功する人しない人、うどんの関東ダシと関西ダシ、氣になる境目研究します。

【今日の良い言葉 437 (071)】

おはようございます。

タイでの奇跡が続いています。

皆が一週間悩み続けた問題を
ものの十五分で解決する。

これはフローに乗っている証ですね。

やっていることは以前と
変わらないのにタイでの実績が
自分に自信をもたらしたのでしょう。

こういうときは慢心に陥りがちなので
一呼吸おいてリラックスして
事に臨みたいと存じます。

今日の良い言葉は
『致知』4月号の読者の集いよりの
シェアです。

根拠のない自信の大切さは
たくさんの本や体験で学びましたが、
いままで一番腑に落ちるお話でした。

さすが数多くのトップアスリートを
指導していらっしゃる久瑠先生の
お言葉ですね。


ぜひお読みください。


では、皆様の今日一日が愛と光と忍耐で
喜びに満ちた日となりますよう
お祈り申し上げます。


コメント楽しみにしております。


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根拠のない自信をつくっていく

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「いま現在一流ですか」
「未来一流で在りたいですか」


私は普段、
渋谷のメンタルルームで
一対一のパーソナルトレーニングを
行っているのですが、
これは最初のトレーニングで
必ず聞くことです。

皆さんも自分自身に
問いかけていただければと思います。


まず、最初の質問に対して
「はい、そうです」
と答える人はほとんどいません。

どんなトップアスリートでも
「一・五流ですかね」
という感じで、いまこの瞬間、
一流であると答える人は少ないんですね。

それは自分自身の過去を
振り返ってしまうからです。

しかし、
「まだ自分は一流ではない。
でも未来一流になりたい」。

これでは人生を変えることはできません。

大事なのは
「自分はいま一流である」
と決めること。

自分自身が持っている潜在意識は
とんでもなく凄いんだと、
イメージすることなんです。


皆さんは既にご存じだと思いますが、
変えられるのは未来だけですよね。

過去は変えられるはずがない。

それはどんな才能がある人でも同じです。

ですから、
これまでどうだったかではなく、
この先どうしていきたいか、
その一点のみに絞って、
トレーニングをしていくんですね。


私のメンタルルームに
初めていらっしゃる方の中には
「性格を変えたい」
と口にされる方がいますが、
これはもってのほかなんです。

自分を否定することは
最悪だとお伝えしています。

最後、自分を信じるのは
自分しかいないにもかかわらず、
自分を変えることは、
謙虚でも謙遜でもないと思います。


自分を過小評価してしまったり、
自己否定してしまうことは誰にでもある。

もちろん私でもあります。

でも、そこに甘えてはいけない
と思います。

性格を変えるのではなく、
やはり自分の性格を知って
ちゃんと受けとめて、
それを人生に生かしていく。

私はそこに一番重きを
置いているんですね。

だから、性格を変える必要はありません。


また、
「自信をつくりたい」
とか
「自信がありません」
とおっしゃる方も多いのですが、

私は
「自信なんか要(い)らないんですよ。」
と言っています。

自信を持とうとするから
人生が上手くいかなくなるんですね。


自信という言葉には
二つの概念があります。

一つは、根拠のある自信。

もう一つは、根拠のない自信です。

これまでの自分がつくり上げてきた
結果や実績、
そういったものが根拠ですよね。

プロ野球選手でいえば
「打率三割です」
「本塁打三十本打ちました」
といったことです。


しかし、私が大事にしているのは、
根拠なき自信です。

これをつくっていくんです。

根拠のない自信とは何か。

過去においての実績や経験を
大切に保持していく自信ではなくて、

この先自分がどうしていきたいのか、
どうありたいのかという
目標や願望です。

未来に対してつくっていく自信なんです。

根拠のない自信というのは、
いまこの瞬間生み出していくものです。

壁でも目標でもいい。

それを飛び越えたいと思った瞬間に
常に生み出していくものなんですね。


根拠のある自信の最大のリスクは、
九十九回成功したとしても、
次の一回必ず成功するとは限らない
ということです。

これはどんなに根拠を塗り固めた人でも、
成績を残した優秀な人でも、皆同じで、
成功と失敗の確率というのは、
次の瞬間においては、
常にフィフティ・フィフティなんですね。


アスリートがスランプに陥った時を
例に挙げましょう。

野球でいえばヒットが打てなくなる。
ゴルフだとパットが入らなくなる。

そういう時、
アスリートはピンチですよね。

彼らはシーズン中、
続けざまに試合がやってくるので、
いったん休憩することはできません。


そんな中で成績が
どんどん下がっていくと、
これでやっていけるのだろうかと
恐怖心が出てきて、
ますます自分が信じられなくなります。

「失敗しないようにしよう」
「失敗してはいけない」

というマイナスのプレーに陥ってしまう。

失敗しないように
やっている時のプレーほど
楽しくないものはありませんね。

そういう選手を
実際たくさん見てきました。

根拠のある自信は、
たとえ九十九回上手くいったとしても、
たった一回の失敗で無残にも
崩れ去ってしまうのです。


では、
そういう時にどうエンジョイできる
マインドをつくるか。

それはミスをどう受けとめるかに
あると思います。


どんな場面でも強い選手、
シーズンを通して活躍している選手に
共通しているのは、
ミスをした時のリカバリーが上手い
ということです。

ダーウィンの言う適応力です。

もうこの一言に尽きると思います。

ミスなんかしたっていいんです。

ただ、
その時にどんなリカバリーをするか。

そこに熱くなれる人間が、
やはり最後に上がっていくんですよ。

これは間近に見ていて
本当に感じましたね。



久瑠あさ美 (メンタルトレーナー)



(『致知』2013年4月号「致知読者の集い」より)