幹部の最低条件とは? | 境目研究家@ありさん。

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【今日の良い言葉 373 (007)】

おはようございます。

今日から本格的な仕事始めですね。

連休中に勉強した智慧を実践し、
仕事に生かして行きたいと思います。

今年は”年男”ですので、
12年に一度の素敵な年にすべく頑張ります。


さて、今日の良い言葉は、
昨日の続き、『致知』2月号掲載の
染谷和巳社長と朝倉千恵子社長の
インタビュー記事です。

昨日のお話は若い一般社員向けの
お話でしたが、
今日は我々中間幹部に向けての
お話です。

「経営者意識」を持って、
物事俯瞰した視点で眺めることの氣づきを
頂きました。

日頃の業務に集中していると
どうしても視点が近くになりがちですので、
朝の読書で一旦大きな所に持っていって、
仕事を始めたいと存じます。

今日が仕事始めの方も
充実した一日にして参りましょう。

皆様の今日一日が愛と光と忍耐で
喜びに満ちた日となりますよう
お祈り申し上げます。


コメント楽しみにしております。



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幹部の最低条件とは?

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【染谷】いまの事例はあくまでも若い一般社員の話であって、
四十、五十を越えた幹部が社長に叱られて涙を流して、
「明日に期待」なんていうことは絶対にないですからね(笑)。


【朝倉】おっしゃる通りですね。


【染谷】どこの企業も社長が一番頭を悩ませるのが、
幹部の質です。

先日お会いした社長がこぼしていましたが、

課長が「景氣が悪いけれど、皆も生活があるから、
ボーナスはこれくらい出してくれなきゃかわいそうだ」と、
部下の代表みたいに訴えてきたと。

「おまえがそんなことを俺に言ってきてどうする。
本来はおまえが従業員に指導する立場じゃないか」

と怒ったらしいですが、
まあ、嘆いていました(笑)。


社長の分身となることが
幹部の最低条件であるにもかかわらず、
それが分かっていないんです。


【朝倉】部下の立場に立って、
会社を批判するようでは幹部とは呼べません。
部下に嫌われることをやらなきゃいけない。
幹部が汚れ役に徹することができるかどうかです。


【染谷】幹部たるもの、
景氣が悪くて会社が危機的な時は部下に
「ボーナスが減っても一・五倍働け」
と指導すべきところ、
優しくていい人はそれが言えないんです。

下に言えないで、
「社長、一・五倍はかわいそうだから、
一・二倍にしてください」
なんて言ってくる。

幹部会議をすると、
社長の意見に反対するのはいいんだけれど、
その内容が幼稚で泣きたくなるって言うんですね。
「社長、もっと目標を上げましょう」
という意見なら大歓迎だけど、

大体、人手がない、時間がないと言って、
「無理です、できません」
となる。

結局「二十㌫が無理なら、五㌫は確実に頼むよ」
と社長が妥協して、
「本当にうちの幹部は程度が低い」
という嘆きに繋がる。


【朝倉】幹部は経営者と運命共同体ですから、
同じ方向を向いて歩んでいかなければならないのに、
一人は右、もう一人は左、
別な人はこのまま行きましょうでは、
会社は伸びていけない。

一般的に社長が本氣で会社をよくしよう、
成長しようという時に邪魔するのは、
古くからいる幹部だといわれます。


【染谷】事実その通りで、小さい組織の時、
一緒に汗水流して働いてきた人たちは功労者だから
部長とか取締役の肩書きを与えられているけれども、

「社長、ここまで来たんだから、
いまのままでいいじゃないか」

と言うようになる。

そういう幹部に腹を立て、
「あいつをクビにする!」
という社長も多いんですよ。

だけど私は、
「社長、待ってください」と。

「あの幹部をクビにすると、下の人たちは
”うちの会社は三十年も会社に貢献してきた取締役も
邪魔になればクビになるのか。
俺もいつ切られるか分からない”
と影響が出ますよ」と。

かといって主要なポジションに置いておくと
下の若手に悪い影響を与えるから、
とにかく切らずに若い人に影響のないポストに置くことが
最善策じゃないですか。

そのあたり、
会社が大きくなると経営者が頭を悩ませるところです。


【朝倉】だからこそ、
肩書きは簡単に与えてはいけないなと思います。

長年働いているからとか、
若い社員を昇格させる時に
一緒に上げてあげないとかわいそうだとか、
そんなことで与えてはいけない。

器でもないのに肩書きを与えると
今度はプライドになって、
逆にその人の成長を邪魔します。

肩書きは決して「ご褒美」ではなく、
仕事を発展させ、
会社を発展させるためにあることを、
経営者も幹部も肝に銘じなければならないですね。



染谷和巳(アイウィル社長)
朝倉智恵子(新規開拓社長)


(月刊『致知』2013年2月号 特集「修身」より)