独創力を生む秘訣 | 境目研究家@ありさん。

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世の中色々な境目があります。成功する人しない人、うどんの関東ダシと関西ダシ、氣になる境目研究します。

【今日の良い言葉 366】

おはようございます。

いよいよ今年も今日一日となりましたね。
今年の目標の第366回目の良い言葉の発信です。

皆様からのコメントに勇氣づけられ
ここまでやってこられましたこと
本当に感謝致します。

素晴らしい言葉の数々を世に出してくれた、
著者の方、編集者の方にも感謝致します。

来年からも良い言葉、続けて参ります。
カウントは連番と2013年内での連番
の併記に致します。

大きな目標を掲げながら
小さい目標を一つ一つこなす方が、
脳科学的には理にかなっているそうですので。


今日はこの良い言葉を発信した後、
六甲の保養所へ移動致します。


待っとれよ、神戸牛。(^^)


では今年最後の良い言葉は、
『致知』11月号、
川口淳一郎氏と山中伸弥教授との
対談より。

「独創力」を生み出す秘訣
についてのお話です。

小生も学校秀才というほうではなく、
どちららかというと現場からたたき上げられた口
です。

常にものに触れて参りましたので、
未知の問題が発生した場合、
逆にワクワクして
どうやってこなそうか?
と挑戦してきました。

単に知識詰め込みばかりの場合とは
生き抜く力に差があると思います。

困難を乗り越えてきた、お二人の対談を読み
共感しきりでございました。

今の自分に必要な氣づきに溢れています。

今年を締めくくり、
来年に希望を持つのに
ふさわしいお話であると存じます。


では皆様、今年もあと一日。

今日が愛と光と忍耐で
喜びに満ちた一日になりますよう
お祈り申し上げます。


今年もお世話になりました。
来年もよろしくお願い致します。

コメント楽しみにしております。



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独創力を生む秘訣

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【山中】 皆さんからよく
「非常に独創的な研究をされましたね」と
言っていただくのですが、
本当は僕自身には独創的なアイデアって
なかなか浮かばないんですね。

皆さんの思っているような
ありふれたことしか。


【川口】 でもご自身がされたことは
独創だったわけですよね。


【山中】 ただそれは、
独創的でない実験を行った結果、
予想もしなかった結果が生まれ、
そのまた次の実験が予想もしない
結果を生んだ、というだけのことで。


【川口】 でも先生はそれを
見逃さなかったということですよね。


【山中】 そうそう、
それが大切だと思うんです。

行った実験がせっかく独創的な結果を
出してくれているのに、
あぁ、予想と違う、
もうダメだとやめてしまい、
完全に可能性を閉じてしまう。

だから独創的じゃなくてもいいから
まず実験に取り組んでみて、
その結果を色のない目で見られるか
どうか。

独創力を発揮できるか否(いな)かは、
そこにかかっているんじゃないかと
思います。

うちの学生にもよく言うんですよ。

「ごちゃごちゃ考えんと、
実験やってみい」と。

実は自分も全然分からないから
そう言っているだけなんですが(笑)、
迷ったらとりあえず実験してみる。

そうするとまた何か違う現象が出てきて、
思いがけないヒントになることが
あります。

ところが受験勉強を乗り越えてきた学生は
試験で点数を取ることばかり教えられ、
難しい問題は後回しにしなさい。

できる問題から解きなさいと
言われている。

そして予想が当たると、
よし、簡単に解けると喜んでお終い。

研究の現場では、
そういう力とは全然別の能力が
要求されているんですね。


【川口】 私のところにも大学院生が
入ってくると、最初に
「何を読めばいいですか?」
と聞いてきます。

ああしなさいこうしなさいと指示をされ、
新しいことや違うことが
できなくなってしまっているんでしょう。

独創力、ということを頭から考えて臨む人
はなかなかいないかもしれませんが、
先ほどのお話しのように、

誰も足を踏み入れていないところへ
乗り出そうという氣持ちそのものが、
すでに独創的なんですよね。

それがどんなに普通のことに思えても。

そういう氣持ちって、
今の日本人に一番欠けているところかなと
思うんです。


【山中】 同感です。
いまはガイドブックとかがあまりに充実
しすぎていて、
誰も行ったことがない場所がないかを
本で探すような状況になってしまって
います。

しかし世界にはまだどこの地図にも
書かれていない、
何人もの人が行ったけれど見逃されている
場所があるかもしれない。

それは本を読んでいるだけじゃダメだし、
実際に行ってみてなおかつそのことに
氣づけるかどうかだと思うんです。


【川口】 観光地文化というんでしょうか
ね。ガイドブックに写真が載っているのに
わざわざそこに行って写真を撮る(笑)。

それをやらないと何か一人前と認めて
もらえないと考えているような。

それは大きな間違いですよね。


【山中】 おっっしゃるとおりです。


【川口】 ただ研究の場合は、
単に総当たりでやるものではないと
考えていましてね。

カプセルに入っているサンプルの分析
でもそうですが、
分析する人は端から端まで総当たりで
じっと見ているから発見できるのでは
なく、ある予見をもって臨んでいると
いうことです。

宇宙開発者も、あの星に行けば
きっと何かがみつかるというのは、
当てずっぽうではなく、
まさに
「これを狙いに行く」
と決めて、
行って結果を出している。

決して偶然に頼っているのではなく
計画された偶然を狙っているというか。


【山中】 それは我われにもありますね。
大航海へ乗り出すというのも、
あそこへ行くという強い一念や
なんらかの目的があったからのことで、
単に漂流していたわけでは絶対にないと
思いますから。


【川口】 ベクトルが四方に散らばって
いると、それこそ千に三つくらいしか
本当に当たるものがないかもしれません。

目利きというと言葉は悪いかも
しれませんが、
何か新しい成果を出してこよう、
発見しようと思ったら、
漫然と覗(のぞ)き込んでいちゃ
ダメなんですよね。



(月刊『致知』2012年11月号 特集「一念、道を拓く」より)