毎月が早く感じるこ頃
一段と朝晩が冷えて過ごしやすくなり読書の秋

食欲の秋になってきましたね
先月は綾辻行人さん30周年の「十角館の殺人 限定愛蔵版」を読むことが出来大変嬉しかったです
9月の読書メーター
読んだ本の数:29
背律の感想
「変若水」と同じ向井俊介が探偵役となって事件に挑む。本作で彼は医療事故調査支援センターに所属し医療事故調査の傍ら警察とは独立した形で殺人事件の真相に迫る。冒頭末期のALS(筋萎縮性側索硬化症)関ジャニの姿が印象深く描かれているが、この光景を読者の脳裏に焼きつけること…これが実は重要になっている。密室殺人のトリックが明かされたとき被害者の臨終の姿が嫌でもこの冒頭のシーンと重なってしまう。警察、医療事故調査支援センター各々の捜査が描かれながらも視点に混乱がなく整理され誰が犯人なのかと楽しめる作品だった。
読了日:09月01日 著者:吉田 恭教
病弱探偵 謎は彼女の特効薬の感想
隣人で同じクラスの山名井ゲンキが学校で起こる謎を貫地谷マイ(子供の頃から病気がちで推理小説好き)に持ち込む6編の連作短編集。高校1年生の貫地谷マイは「患者」「病」が名前に含まれている病弱な少女。隣人である山名井ゲンキは「病まない」「元気」という名前の通り健康優良児。この2人が学校で起きた謎を解いていく。ゲンキの持ち帰ってくる謎を聞きマイが推理するのだがどの話も謎が解けたかと思うと更に真相があるという展開。そしてどの謎解きも病気の特性を引き合いに出しているのが良い。安楽椅子探偵だと思ったが寝台探偵というそう
読了日:09月02日 著者:岡崎 琢磨
荒神 (新潮文庫)の感想
下野の小藩・香山藩の山村に突如出現した山の如く大きい怪物。住民を喰らい家家を踏み潰し一夜にしてひとつの村を破壊した。そんな中一人の少年が逃げ切り行き倒れていたところを隣藩の永津野藩の藩主側近・曽谷弾正の妹・朱音に救われる。朱音や従者達の懸命な看病によって息を吹き返した少年は信じられない出来事を話す。怪物はもう近くに来ている永津野の屈強な武士が相手でも決して倒せないだろう…。片や香山藩 藩主小姓・小日向尚弥は土地の流行り病「かんどり」にかかり伏せっていた。病が癒えた頃村の異変を耳にする。⬇︎
読了日:09月03日 著者:宮部 みゆき
眩の感想
葛飾北斎の娘・お栄で北斎の弟子で女絵師の葛飾応為、彼女の一生を描いた「眩」お栄は夫との暮らしに辟易外に出たついでにふらっと婚家を逃げ出してしまう。そこから北斎のもとに戻り北斎を助けながらひたすら絵の道を極めていく。北斎のもとに出入りしていた浮世絵師・善次郎(渓斎英泉)との絵とひとときの情、甥の時太郎の不行状に悩まされ母を看取り最愛の盟友・善次郎との別れ、そして北斎を看取り自らも晩年を迎える。善次郎の野辺送りを足を怪我しながら追いかけて見送る場面がお栄思いを移していてこの情景は圧巻。⬇︎
読了日:09月06日 著者:朝井 まかて
ルビンの壺が割れたの感想
本書は2人の登場人物がFacebookでメッセージをやり取りする、その会話のみで構成されている。水谷一馬と未帆子この2人は愛し合い婚約したものの結婚式の当日に何故か未帆子が現れなかった為結婚することはなかった。それから28年後Facebookを見ていた水谷が偶然「未帆子」という名前を見つけそのアカウントの友達がアップしていた写真からその「未帆子」が婚約していた未帆子その人だと気づく。そして水谷は未帆子にメッセージを送りそこからメッセージのやり取りが始まる。⬇︎
読了日:09月06日 著者:宿野 かほる
残穢の感想
夜は読まない方が良いホラー小説。何が怖いかというと実際にあったのかもしれないと感じるところ。実話みたいに描かれてどこから本当でどこまでが嘘なのかが分からない。話は語り手が以前少女向けホラー小説を書いていた時から始まる。その後2001年に久保さんという方が自宅の部屋から物音がするという手紙を主人公に送ってくる。その物音の由来を調べていくうちにその話が物音だけに留まらず過去の自殺者や放火事件、心中事件に繋がっていく。久保さんのマンションの土地の来歴を調べていくうちに話は明治のしょきまで遡っていく。⬇︎
読了日:09月07日 著者:小野 不由美
まるまるの毬 (講談社文庫)の感想
出自に秘密のある菓子職人・治兵衛が作る様々な名菓をめぐる連作短編集。表題作の「まるまるの毬」は治兵衛の出戻りの娘・お永の秘密に迫る。さらに「カスドース」で登場する若き武家の青年・河路と治兵衛の孫娘・お君とのロマンスなど…。物語が展開するにつれ治兵衛の周辺にも否応なく変化が、やがて治兵衛の出自に関わる問題が彼だけでなくその周囲の人々にも問題をもたらし始めるのにはハラハラさせられたがそんな問題を解決するのもまた治兵衛が作った菓子の力。最後の最後まで人情味に溢れた温かな物語だった。
読了日:09月08日 著者:西條 奈加
盤上の向日葵の感想
凄腕の刑事だが人間的には問題のある石破とプロ棋士を目指し奨励会に入会したが年齢制限の為夢を断念した佐野の2人は山形県天童市のあるホテルで将棋のタイトル戦の竜昇戦が行われていて実業家から転落し特例でプロになった東大卒のエリート棋士・上条六段を追っていた。平成6年埼玉県の大宮にある山の中から白骨死体が発見される。死体と共に発見された将棋の駒が非常に貴重な物だった。事件の謎に迫る貴重な駒を追う刑事達の話と上条の過去の話が並行して描かれていく。IQ140の上条は貧しい子供の頃から将棋の才能がある。⬇︎
読了日:09月09日 著者:柚月 裕子
デンジャラスの感想
谷崎潤一郎、その妻の松子、松子の妹の重子、重子の息子の嫁・千萬子。重子の視点から谷崎潤一郎を巡る四角関係が描かれている。谷崎潤一郎の独善的な部分と谷崎潤一郎に愛されたい女たちの怨念が見事に描かれるている。一人の男の愛を数人の女が奪い合い共有し合う世界とは私には理解出来ない。女同士のドロドロした感情のやり取りを描いているのが上手い。力のある作品強烈だった。
読了日:09月10日 著者:桐野 夏生
美しい距離の感想
癌で余命僅かの40代の妻、妻の入院している病院へ足繁く通う夫、2人の姿から描き出す生と死の考察。静寂な文章だが最愛の妻と少しでも多くの時間を過ごしたい一心で看病する姿は夫婦への愛情と温もりが感じられる。妻の両親、会社へ介護休暇申請しに行った際に上司が家族を看取った話と合わせて、会社が仕事と介護のサポートに協力したりサンドイッチ屋関係の人達など多くの人に支えられ行きていることを感じさせる。生と死、家族や夫婦、働き方、会社との関わり方、死の迎え方と色々考えるこれはがあった。⬇︎
読了日:09月12日 著者:山崎 ナオコーラ
バック・ステージの感想
ある夜新入社員の松尾は先輩の康子がパワハラ上司の不正の証拠を探している場面に遭遇してしまう。そして強引な康子に片棒を担がされることになり翌日上司の不正を暴く証拠をまんまと手に入れる。しかしひょんな事からその証拠を入れたバッグを女子高生に持って行かれてしまう。焦った2人が女子高生の後を追うと中野の劇場に行き着く。その劇場では松尾達の会社がプロモーションする人気演出家の舞台が始まろうとしていた。開演前の舞台の裏側で起きた事件それを軸として関係者達の人間ドラマが連作で描かれる。⬇︎
読了日:09月13日 著者:芦沢 央
やめるときも、すこやかなるときもの感想
壱晴と桜子、過去に大事な人を事故で亡くした家具職人の壱晴の心の奥底にはいまだに亡くなった恋人が生きている。桜子においては結婚を意識せざるを得ない状況下での恋愛。壱晴は恋人を亡くしたショックが精神的にも影響を及ぼしているのか恋人が亡くなった12月になると声が出なくなるという症状を繰り返している。壱晴は必死に過去ののとを吹っ切ろうとし昔住んでいた町へ桜子を誘う。壱晴の過去を知る人々と接した桜子、聞こえてくるのは昔の彼女の名前、目にしたのは彼女が亡くなった事故現場。昔の空気が満ちた町は桜子にとってはキツイ。⬇︎
読了日:09月14日 著者:窪 美澄
読んだ本の数:29
背律の感想「変若水」と同じ向井俊介が探偵役となって事件に挑む。本作で彼は医療事故調査支援センターに所属し医療事故調査の傍ら警察とは独立した形で殺人事件の真相に迫る。冒頭末期のALS(筋萎縮性側索硬化症)関ジャニの姿が印象深く描かれているが、この光景を読者の脳裏に焼きつけること…これが実は重要になっている。密室殺人のトリックが明かされたとき被害者の臨終の姿が嫌でもこの冒頭のシーンと重なってしまう。警察、医療事故調査支援センター各々の捜査が描かれながらも視点に混乱がなく整理され誰が犯人なのかと楽しめる作品だった。
読了日:09月01日 著者:吉田 恭教
病弱探偵 謎は彼女の特効薬の感想隣人で同じクラスの山名井ゲンキが学校で起こる謎を貫地谷マイ(子供の頃から病気がちで推理小説好き)に持ち込む6編の連作短編集。高校1年生の貫地谷マイは「患者」「病」が名前に含まれている病弱な少女。隣人である山名井ゲンキは「病まない」「元気」という名前の通り健康優良児。この2人が学校で起きた謎を解いていく。ゲンキの持ち帰ってくる謎を聞きマイが推理するのだがどの話も謎が解けたかと思うと更に真相があるという展開。そしてどの謎解きも病気の特性を引き合いに出しているのが良い。安楽椅子探偵だと思ったが寝台探偵というそう
読了日:09月02日 著者:岡崎 琢磨
荒神 (新潮文庫)の感想下野の小藩・香山藩の山村に突如出現した山の如く大きい怪物。住民を喰らい家家を踏み潰し一夜にしてひとつの村を破壊した。そんな中一人の少年が逃げ切り行き倒れていたところを隣藩の永津野藩の藩主側近・曽谷弾正の妹・朱音に救われる。朱音や従者達の懸命な看病によって息を吹き返した少年は信じられない出来事を話す。怪物はもう近くに来ている永津野の屈強な武士が相手でも決して倒せないだろう…。片や香山藩 藩主小姓・小日向尚弥は土地の流行り病「かんどり」にかかり伏せっていた。病が癒えた頃村の異変を耳にする。⬇︎
読了日:09月03日 著者:宮部 みゆき
眩の感想葛飾北斎の娘・お栄で北斎の弟子で女絵師の葛飾応為、彼女の一生を描いた「眩」お栄は夫との暮らしに辟易外に出たついでにふらっと婚家を逃げ出してしまう。そこから北斎のもとに戻り北斎を助けながらひたすら絵の道を極めていく。北斎のもとに出入りしていた浮世絵師・善次郎(渓斎英泉)との絵とひとときの情、甥の時太郎の不行状に悩まされ母を看取り最愛の盟友・善次郎との別れ、そして北斎を看取り自らも晩年を迎える。善次郎の野辺送りを足を怪我しながら追いかけて見送る場面がお栄思いを移していてこの情景は圧巻。⬇︎
読了日:09月06日 著者:朝井 まかて
ルビンの壺が割れたの感想本書は2人の登場人物がFacebookでメッセージをやり取りする、その会話のみで構成されている。水谷一馬と未帆子この2人は愛し合い婚約したものの結婚式の当日に何故か未帆子が現れなかった為結婚することはなかった。それから28年後Facebookを見ていた水谷が偶然「未帆子」という名前を見つけそのアカウントの友達がアップしていた写真からその「未帆子」が婚約していた未帆子その人だと気づく。そして水谷は未帆子にメッセージを送りそこからメッセージのやり取りが始まる。⬇︎
読了日:09月06日 著者:宿野 かほる
残穢の感想夜は読まない方が良いホラー小説。何が怖いかというと実際にあったのかもしれないと感じるところ。実話みたいに描かれてどこから本当でどこまでが嘘なのかが分からない。話は語り手が以前少女向けホラー小説を書いていた時から始まる。その後2001年に久保さんという方が自宅の部屋から物音がするという手紙を主人公に送ってくる。その物音の由来を調べていくうちにその話が物音だけに留まらず過去の自殺者や放火事件、心中事件に繋がっていく。久保さんのマンションの土地の来歴を調べていくうちに話は明治のしょきまで遡っていく。⬇︎
読了日:09月07日 著者:小野 不由美
まるまるの毬 (講談社文庫)の感想出自に秘密のある菓子職人・治兵衛が作る様々な名菓をめぐる連作短編集。表題作の「まるまるの毬」は治兵衛の出戻りの娘・お永の秘密に迫る。さらに「カスドース」で登場する若き武家の青年・河路と治兵衛の孫娘・お君とのロマンスなど…。物語が展開するにつれ治兵衛の周辺にも否応なく変化が、やがて治兵衛の出自に関わる問題が彼だけでなくその周囲の人々にも問題をもたらし始めるのにはハラハラさせられたがそんな問題を解決するのもまた治兵衛が作った菓子の力。最後の最後まで人情味に溢れた温かな物語だった。
読了日:09月08日 著者:西條 奈加
盤上の向日葵の感想凄腕の刑事だが人間的には問題のある石破とプロ棋士を目指し奨励会に入会したが年齢制限の為夢を断念した佐野の2人は山形県天童市のあるホテルで将棋のタイトル戦の竜昇戦が行われていて実業家から転落し特例でプロになった東大卒のエリート棋士・上条六段を追っていた。平成6年埼玉県の大宮にある山の中から白骨死体が発見される。死体と共に発見された将棋の駒が非常に貴重な物だった。事件の謎に迫る貴重な駒を追う刑事達の話と上条の過去の話が並行して描かれていく。IQ140の上条は貧しい子供の頃から将棋の才能がある。⬇︎
読了日:09月09日 著者:柚月 裕子
デンジャラスの感想谷崎潤一郎、その妻の松子、松子の妹の重子、重子の息子の嫁・千萬子。重子の視点から谷崎潤一郎を巡る四角関係が描かれている。谷崎潤一郎の独善的な部分と谷崎潤一郎に愛されたい女たちの怨念が見事に描かれるている。一人の男の愛を数人の女が奪い合い共有し合う世界とは私には理解出来ない。女同士のドロドロした感情のやり取りを描いているのが上手い。力のある作品強烈だった。
読了日:09月10日 著者:桐野 夏生
美しい距離の感想癌で余命僅かの40代の妻、妻の入院している病院へ足繁く通う夫、2人の姿から描き出す生と死の考察。静寂な文章だが最愛の妻と少しでも多くの時間を過ごしたい一心で看病する姿は夫婦への愛情と温もりが感じられる。妻の両親、会社へ介護休暇申請しに行った際に上司が家族を看取った話と合わせて、会社が仕事と介護のサポートに協力したりサンドイッチ屋関係の人達など多くの人に支えられ行きていることを感じさせる。生と死、家族や夫婦、働き方、会社との関わり方、死の迎え方と色々考えるこれはがあった。⬇︎
読了日:09月12日 著者:山崎 ナオコーラ
バック・ステージの感想ある夜新入社員の松尾は先輩の康子がパワハラ上司の不正の証拠を探している場面に遭遇してしまう。そして強引な康子に片棒を担がされることになり翌日上司の不正を暴く証拠をまんまと手に入れる。しかしひょんな事からその証拠を入れたバッグを女子高生に持って行かれてしまう。焦った2人が女子高生の後を追うと中野の劇場に行き着く。その劇場では松尾達の会社がプロモーションする人気演出家の舞台が始まろうとしていた。開演前の舞台の裏側で起きた事件それを軸として関係者達の人間ドラマが連作で描かれる。⬇︎
読了日:09月13日 著者:芦沢 央
やめるときも、すこやかなるときもの感想壱晴と桜子、過去に大事な人を事故で亡くした家具職人の壱晴の心の奥底にはいまだに亡くなった恋人が生きている。桜子においては結婚を意識せざるを得ない状況下での恋愛。壱晴は恋人を亡くしたショックが精神的にも影響を及ぼしているのか恋人が亡くなった12月になると声が出なくなるという症状を繰り返している。壱晴は必死に過去ののとを吹っ切ろうとし昔住んでいた町へ桜子を誘う。壱晴の過去を知る人々と接した桜子、聞こえてくるのは昔の彼女の名前、目にしたのは彼女が亡くなった事故現場。昔の空気が満ちた町は桜子にとってはキツイ。⬇︎
読了日:09月14日 著者:窪 美澄